2014-01-01から1年間の記事一覧

徳冨Nというピアニスト(16)

オーケストラとはどのような練習をするのだろうか?学校のブラスバンドみたいに毎日のように練習があってそれに指揮者が付きっきりなんていう事はまずありえない。なぜなら本格的にオーケストラを指揮指導できる人材なんて少なく、まずアマチュアレベルでそ…

徳冨Nというピアニスト(15)

2台のピアノ用の協奏曲を渡された日は、僕にとってただ貰った日ではない。彼女はその時点である程度その曲を弾けるようになっていた。今だからわかった事だが、曲のコピー譜を渡してくれるだけであれば、彼女なら翌日には大量の楽譜をコピーしてそれを製本…

徳冨信恵というピアニスト(14)

さて、話を徳冨さんに戻そう。と言っても、先日彼女が演奏したベートーヴェンの協奏曲の感想は(13)までにダラダラと記してきたので、これからは彼女の曲が決まって練習して本番を迎えた約4カ月間の話を、僕が知りうる限り話そうと思う。『なぜお前が彼…

休憩コーヒータイム(5)

地方のホールでは仕方のない事だがプロのステマネはいない。だが東京の有名な音楽ホールにはプロのステマネがいる。 もう10年以上前の話だ。僕が総務をしていたジュニアオーケストラが東京のジュニアオーケストラと交流演奏会をするため東京まで彼らを引率…

休憩コーヒータイム(4)

タイムテーブルとは、ステージの流れを分刻みで記された表だ。アマチュアのオーケストラだと標準的なプログラムは前半は序曲等短い曲と組曲等やや長い曲で後半が大曲というだいたい3曲程度のパターンが多い。だから何人も出演し何10曲もあるような洋楽の…

休憩コーヒータイム(3)

このコーヒータイムで(1)はコンマネ(2)はステマネと混同して記してしまったが、ここではステマネつまりステージマネージャが正しくコンマネ(コンサートマネージャー)は当たらずも遠からずだ。だって僕は指導者と総務も兼ねていたので、指揮者の選出…

休憩コーヒータイム(2)

以前、ギリシア神話のエコーの逸話を載せた事があったが、ギリシアでは美しい(おそらく)妖精ニンフのエコーは日本では木霊(ことだま、こだま)になる。木霊はきっと意地悪な男だと思う。だって、昨日一番高い脚立の一番上から落ちてしまった。あっちこっ…

休憩コーヒータイム(1)

徳冨さんのベートーヴェンの印象が薄れないうちにと約2週間、その時の演奏の感想を自分なりの表現で一気に記してきた。ここでちょっと休憩と、庭木の剪定に勤しんでいるとなかなかPCに向き合われずにいた。脚立に登って3年間ほったらかしの枝枝を選別し…

T.N.というピアニスト(13)

ベートーヴェンはティンパニ(基本2つないし4つ並べられた太鼓なる打楽器)の扱いがうまい。オーケストラが盛り上がる時、強力に加担してくるようなイメージがあるこの個性的な楽器を、とても効果的に扱った。例えばだ。いつも会が盛り上がっている時更に…

徳冨Nというピアニスト(12)

前に、協奏曲の第一楽章について話する時、クラシック音楽にはいくつかの慣習がある、と記したが、ここで第三楽章の慣習について一言。(一言で終わらないのが僕の悪い癖) 協奏曲の第三楽章や交響曲の第四楽章、つまり最終楽章のほとんどはロンド形式によっ…

徳冨Nというピアニスト(11)

通常協奏曲は全3楽章だ。速い曲があって遅い曲がきて速い曲で終わる。なんとも自然な論法だ。これは貴族好みの舞曲を入れたくて全4楽章になった交響曲とは違うところだ。貴族嫌いだったベートーヴェンといえどもこの音楽の節理は守っている。よってこの『…

徳冨信恵というピアニスト(10)

ピアノ演奏の感想に書いた「端正」という漢字の意味を確認する為に辞書を開いた。「端整」とも書け、これもなかなかいい。更に「丹精」これは誠実に心を込めることであり、ならばこの日の彼女の演奏はこの言葉の方がふさわしいのかもしれない。この日の演奏…

徳冨信恵というピアニスト(9)

クラシック音楽には慣習というものが多い。それを知ったからって音楽を聴いて楽しむ事に関してはどうってことはない!が、知っていれば音楽の共感度が変わるかもしれない。だとしてもそれが音楽鑑賞にとっていいのかどうかはわからない。だからクラシック音…

T.N.というピアニスト(8)

ここからは当日の演奏の感想だ。ここで注釈を入れるのも野暮だが、これが大事になる場合もある。 これからはその演奏会の感想になる。ここで書く文は評論や批評ではない。だから客観的な根拠など持たずに僕が一方的にここで感想を述べているだけだと、その程…

T.N.というピアニスト(7)

7月12日(土)徳冨信恵さんのベートーヴェンのピアノ協奏曲『皇帝』の演奏が行われた。大学構内のホールで収容人数は500名位だろうか。大学ホールだけあって品位のある場内だった。品位のあるとは、例えば卒業式で卒業証書を持って黒いガウンを纏った…

T.N.というピアニスト(6)

『秋吉台芸術村での徳冨信恵リサイタル』で大切な事を記すのを忘れていた。その時のプログラムは、 モーツァルトのピアノソナタ、ベートーヴェンピアノソナタ「月光」、リスト「死の舞踏」 フランクの「前奏曲、コラールとフーガ」それにヴァイオリンソナタ…

T.N.というピアニスト(5)

こうして2013年11月22日{日曜日)秋吉台国際芸術村ホールにて『徳冨信恵ピアノリサイタル』は開催された。ここでは(つまり僕のこのブログは)先日2014年7月12日に行われた徳冨さんのピアノ演奏に対する批評が主旨なので、この時のリサイタ…

T.信恵というピアニスト

話を徳冨信恵さんのコンサートに僕がゲスト出演する事になったところまで戻そう。 この話が彼女から持ち込まれたのは5月でコンサートは11月だ。僕にとってはまだまだ先の話だった。ところが彼女は合わせ練習を毎週したいからお店に(お店にアップライト・…

T.信恵というピアニスト(3)

やはり記憶というものは曖昧なものだし物事は一方から覗いても真実は見えてこないものだと感じた。 昨日、徳冨さん本人に連絡をとって、コンサートの演奏の批評を兼ねてこのようなブログを発信しようと思うがいいか?と問うたら快諾してくれた。ただし最初に…

徳冨信恵というピアニスト(1)

昨日、7月12日(土)山口市であるコンサートがあった。その中で僕の知っているピアニストが演奏した。ここでその演奏の感想、もしくは評論しても大きなタメ池に小さな発泡スチロールを投げ入れたくらいの波紋にしかならないのであろうが、それでもこうし…

徳冨信恵というピアニスト(2)

先日のコンサートでの批評をする前に、徳冨信恵というピアニストを語らなければならない。そしてそれを語る前に、50歳を過ぎた僕が20歳代の若い女性ピアニストとどうして関わりをもっているのかを話さなければならない、が、その前に二つ程いい訳をして…

再生と復活(6)

(これは我が家のペット第一号のピーちゃんです) このまま、このタイトルでブログを続けてもいいのだろうかと思いながら、なんとなく机の前に座ってしまった。 今過去最強クラスの台風発生と梅雨前線の停滞で外は大雨だ。『風が吹くと桶屋が儲かる』程複雑…

再生と復活(5)

(剪定の前にお散歩タイムよ❤) 雨もあがったし、来週は台風が来るらしいから今日からまた大木にいどまらなくてはならない。一番大きな木はやっと終えたが、我が家の庭にはまだまだたくさん木が乱立している。(僕にはそう見える) そのせいかもしれないし、…

再生と復活(4)

(ルナを舐めているのはライではない) 今日のブログは4月2日の続きではない。 アポロンの忠告にしたがって、僕はオリンポスから去ってディオニソスの宴の楽しさも忘れ、それどころかお酒も断って真面目に暮らしていた。まさか、音楽の女神ミューズまで追…

再生と復活(3)

(暑いし剪定ばかりで散歩はサボり気味) 僕が再生をしなければならないのはフルートばかりではない。3年間もほったらかしにしていた庭の木々の剪定をいよいよもってしなければならなくなった。 3年前手首を折ってから、手首の調子が悪いからと剪定をさぼ…

再生と復活(2)

(僕が昔のスリムな自分を取り戻す事はない!) 前回のブログからもう1週間がたつ。時間が経つのはとにかく早い。・・・と何とかパソコンの前に座って思う。 さて、地道な練習とはいっても一筋縄ではいかない。だってできないものはできないのだ。今まで何…

再生と復活(1)

(私達の愛も再生、復活するのよ❤) マーラーの世界観では、再生も復活もキリスト教が根幹にあっての人生哲学の展開であろうが、僕の再生と復活はそんな大きな世界観ではない。僕の身近なる小さな個人的な世界観だ。しかし自分はたいした人生を歩んでこなか…

音楽の女神ミューズ

(ミューズって、こんな顔?) 僕はミューズへの作法を忘れていたのかもしれない。だからミューズは僕を見捨てようとしたのだろう。 ミューズのもとを訪れるには身だしなみをきちんとしていかなければならない。つまり音出しウォーミングアップで美しい音を…

サムソンとデリラ

(ライヴィッチとルナピンスキーよ❤) 万能なフランスの作曲家、サン=サーンスはありとあらゆるジャンル(クラシック音楽の形態で)で名曲を残している。彼のの作品にはギリシャ神話が題材になっている作品が多いのだが、フランス・オペラの大傑作であるこ…

酒とバラの日々

これはクラシック音楽ではない。もともと映画音楽なのだが僕は観た事が無い。なのになぜこの曲を紹介したのかというと、音楽が素晴らしくいい。映画音楽なのでいろいろと編曲されている。ジャズ風なものからラテン風なものまでいろいろとだ。僕はこの曲を少…