2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

2017年子猫物語(3)

ジジは相変わらず僕が店に来るのを待っている。そこに子猫たちも待っている。ジジとお母さん猫は以前折り合いが悪かった。仕方がない。だって僕がジジにしか餌をあげなかったのだから。それでもジジが折り合いを付けたのだろう。ジジが店の横に置いた餌をお…

2017年子猫物語(2)

お母さん猫に餌をあげなくなって、心苦しいばかりだった。だってお母さん猫がまだ子猫の頃から4年近く餌をあげていたのだから。しかし屋根裏でミャーミャーと鳴き声が聞こえた時には犠牲になる子猫を思うともっと心苦しくなる。餌をあげなくなってもお母さ…

2017年子猫物語(1)

以前のブログにも書いたが我が家には二匹の猫がいる。カイとシータだ。お店に住み着いたお母さん猫の2回目の出産の子猫だ。店の屋根裏で出産して他の子猫たちは壁の隙間に落ちて亡くなった。カイとシータは僕が屋根裏に入って助け出した猫だった。他の兄弟…

作家が書いたピアノコンクール(6)

さてピアノコンクールの内容はどうだったかは素晴らしい筆致で書かれた著者を尊重してあえて触れないが、その著書の冒頭に彼らが演奏した曲が詳細に記してあり、最後にコンクールの結果の詳細も記してある。つまり結果を知りたければ数秒でわかる。だからこ…

作家が書いたピアノコンクール(5)

4人目のコンテスタントは高島明石、彼は普通の家庭で育った。父親が転勤族なのでピアノを家に置けなかった。祖母がピアノを買って蚕のいる蔵に置いてくれた。彼はそこでピアノを弾くのが好きだった。祖母はそれを喜んで聴いてくれた。明石はその蔵にいた。…

作家が書いたピアノコンクール(4)

コンクールで注目されている参加者にマサル・カルロス・レヴィ・アナトールがいた。彼は世界中を転勤していた日本人の父親とペルー人の母親との間に生まれた。幼き頃にピアノの才能に目覚めパリで音大生に師事した。その音大生はマサルの才能を見抜き自分の…

作家が書いたピアノコンクール(3)

このコンクールで鳴り物入りの参加者は弟子をとらなかった故ホフマン先生の唯一の弟子風間塵少年だけではなかった。栄伝亜夜は天才少女として音楽活動していたが彼女が13歳の時彼女を精神的に支えていた母親が亡くなる。そのショックから以前から決まって…

作家が書いたピアノコンクール(2)

このブログを始めたとたんコーヒー飲んだりお茶したりやっと2回目を記すことができた。受賞作家の巧みな表現を僕の凡庸な感想文のような文体にしないため、どのような切り口でかつ簡潔にまとめようか考えていた。 コンクールは何十人何百人と参加するその中…