2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

山ちゃんの一日(その3)

(朝はお散歩の時間でしょう) 夜遅く家に帰った山ちゃんは、それからすぐに寝るのではない。どうせお酒を飲むんだろう・・・とルナピンスキーは思っている。それは確からしいのだが、飲みながら仕入れなどの経理を整理してノートに書き込んでいく。つまり肉…

山ちゃんの一日(その2)

(ルナピンスキーは待てもできます) 山ちゃんのお店『赤いはりねずみ』にも、時々予約が入るらしい。そんな時は仕込みも気合が入る。だからと言って早く仕込める訳ではない。それどころか予約はだいたい6時から7時ごろだから、それに合わせて仕込みも遅く…

山ちゃんの一日

(私たちもお買いものよ) 山ちゃんのお店『赤いはりねずみ』のメニューは実に多様だ。チーズ・コロッケにウィーン風牛カツレツにお好み焼きに山芋鉄板があり揚げだし豆腐やマーボー豆腐まである。パスタもカルボナーラやらボンゴレもある。だから山ちゃんは…

赤いはりねずみ、いよいよオープン

(私は、赤いお洋服よ!) いよいよオープンと言っても、何が変ったという事ではない。ただお店の中はお花や観賞植物でいっぱいだ。だが、相変わらず山ちゃんはそれを楽しむ余裕などなかった。それどころか仕込みが間に合わない。そこへお客さんがやって来た…

プレ・オープンもまた大騒動

(私も騒動が好きよ) 山ちゃんは湯田温泉で育った。小さい頃に一緒に遊んだ同級生がタクシー屋や米屋をしている。ましてや魚屋、肉屋、酒屋などみんな一緒に遊んだりしていたし、そこら辺をうろうろしているおじさんなんて先輩だったなんて事が普通にある町…

試食会騒動記

(私たちはお利口さんで待っています) 山ちゃんは店の内装を自分で変える事にした。天井をアイボリーのペンキで塗り、壁を珪藻土で塗った。木の部分は柿渋を塗った。毎日が佐官業のような生活だった。時々気分転換に看板を書いたり壁に絵を描いたりした。看…

お隣の鰹節屋さんのおばちゃん

(食べる事にはルナピンスキーもうるさいわよ) 山ちゃんの店の隣は鰹節のお店だ。山ちゃんはそこのおばちゃんとすっかり仲良くなったんだって。ルナもライヴィッチもそこのおばちゃんが大好きだ。だって私たちが行くと必ずサバ節一本ごと食べさせてくれる。…

どうして居酒屋なの?

(へい、いらっしゃいませ) フルート吹きから居酒屋のおやじに転身した、というと唐突な話のようだが、山ちゃんはそうなる運命だったのだと思っているようだ。なんたって山ちゃんは湯田温泉の歓楽街のど真ん中で育ったのだった。しかも両親は深夜まで仕事を…

山ちゃん倒産宣告をする

(え〜倒産だって・・私たちはどううなるの?) 山ちゃんは倒産宣告をした。(おいおい倒産と言っても収入ももともと少なかったぞ・・ルナ) 問題はその次だ。つまり何をするかだ。次に向かう方向性は3つあった。一つは一般の企業に就職する。一つは臨時採…