山ちゃん倒産宣告をする


(え〜倒産だって・・私たちはどううなるの?)
 山ちゃんは倒産宣告をした。(おいおい倒産と言っても収入ももともと少なかったぞ・・ルナ)
 問題はその次だ。つまり何をするかだ。次に向かう方向性は3つあった。一つは一般の企業に就職する。一つは臨時採用の教員になる。(山ちゃんは教員免許ももっていたんだってさ)そしてもう一つは居酒屋をする事だった。
 一般企業の就職は山ちゃん自身もイメージできなかったし、もう一人の山ちゃんの声が「今まで自分の世界で勝手にやっていたお前が普通に働ける訳ないではないか。」と言った。全くそうである。反論する気もなかった山ちゃんは素直にそれを認め諦めた。
 臨時採用の教員は、子供を教える事が大好きだった山ちゃんにとっては、とっても魅力的な選択だった。
もう一人の山ちゃんの声が言った。「確かに子供たちはかわいいし彼らを教えるのはいいだろう。だが、職場は大人たちだぞ。お前より若い校長や教頭からいろいろ言われるぞ!しかもお前より若い教員から先輩ずらしていろいろと言われるぞ!」反論をする気もなかった山ちゃんはそれも諦めた。
 だとしたら居酒屋しかないではないか。山ちゃんは決めた。すぐに家族に言った。反対はなかった。当たり前である。安定した収入があった仕事を止めて居酒屋をするというのではない。何もない所から居酒屋をすると言っているのだ。他の仕事はなかったのか?という声もなかった。結局みんなもう一人の山ちゃんの声と同じ事を思っていたのだった。(だからそれでルナピンスキーやライヴィッチは食べていけの?・・・おいおいそこが大事なんではないのか〜?)