ルナピンスキーたちの夜の風景


(ルナピンスキーは夜も元気だ〜!)
 最近山ちゃんが変だ。だって、恒例の夜の音楽ビデオ鑑賞会がめっきり無くなった。だから録画した音楽番組が山ほどたまってしまっている。奥様が山ちゃんに「消していいものは早く消して!」と言ってるが、山ちゃんは「見てから消すから大丈夫。」と返事している。そんな山ちゃんは最近深夜も爆睡している。いつもは2時か3時頃目を覚ましてから音楽鑑賞が始まるのだが・・・どうやら朝から頑張っている庭の剪定で疲れているようだ。最近山ちゃんは朝から木に登って昼ごろまで鋏を鳴らしている。山ちゃんが木に登っている間、私はライヴィッチと庭で遊んだり日向ぼっこができるので嬉しい限りだ。それにしても、そのくらいで疲れてしまうのだから、よっぽど日頃暇にしているんだなあと思ってしまう。
 その山ちゃんが今朝2時半ごろ久しぶりに目を覚ましたみたいで、テレビが映って部屋が明るくなった。
バレンボイムというピアニストがワルシャワショパンホールで演奏したショパン生誕200年記念のコンサートだという。私は自分の部屋で寝て、ライヴィッチはテレビの前で寝ていた。山ちゃんは興味のない曲や演奏が面白くなくなると、目の前のライヴィッチに絡んでくる。ライヴィッチは愛想にもシッポを振ることなく寝たままだ。そんな時の山ちゃんはけっこうしつこい。しばらくして山ちゃんはまた炬燵に戻って(山ちゃんは一年中リビングの炬燵がベット代わりなのだ)おとなしく音楽鑑賞を始めた。ここで黙っていないのが私だ。『お前、ライヴィッチに絡む元気があるのならルナピンスキーと絡まんかい!』と言わんばかりに私ルナピンスキーは、炬燵から頭だけ出している山ちゃんとテレビの間に割って入って仁王立ちになる。山ちゃんは「こらっ、見えん!」と言うが私はめげない。今度は山ちゃんが入っている炬燵の中に強引に潜りこみ山ちゃんの隣へピッタリとひっついて寝る。こう書くとラブラブ❤❤な感じだが、ちょっとだけ違う。私は頭から炬燵に潜りこんでいるので山ちゃんの顔の前に私のお尻がある。そして時々屁をしてやる。「お前屁したな、くさいじゃんか!」と言いながらピアノを聴いている。なんと芸術的な夜なんだろうか。そのうち私たちの散歩の時間になった。