これもデトモルトのレッスン風景だ!(その2)


(頭を使って練習しよう!ルナ)
 さて、山ちゃんは♪♪♪先生のレッスンがある部屋へ行った。その部屋は♪♪♪先生の部屋ではなく講師たちが使う部屋で、その都度ネームカードをドアに差し入れるようになっていた。そのドアを開け中へ入るとその狭さに山ちゃんはビックリしたそうだ。だってかろうじて小さいグランドピアノが置いてあったもののそれで部屋いっぱいだった。週に数回しかレッスンしないのに会議場くらい広いレッスン部屋を持っている教授とは全く待遇が違うのだ。しかも山ちゃんの先生も広い部屋だったので、ちょっと戸惑ってしまった。でも♪♪♪先生の実力はすごいと予想された。だって学生が持ってきた曲を初見でその場で弾いてレッスンをするのだ。しかもフルートの学生だけではない。管楽器、弦楽器あらゆる楽器の学生の何の曲を持ってくるのかわからないままその場で初見で弾くというのだ。ちょっとすごい。でも、そんなピアニストはヨーロッパでも日本でもたくさんいる。実際に山ちゃんが経験した夏期講習会のいずれも、ピアニストがいて受講生の持ってきたレッスン曲を初見で弾いていた。
 さて山ちゃんは、そのレッスンにミヨーという近代フランスの作曲家のソナチネをレッスン後の仕上げとして♪♪♪先生の所へ持ってきたのだ。その曲を山ちゃんはレッスンをするまで知らなかった。フルートはさほど難しくなかった。だからピアノ合わせも簡単だろうと考えていた。それが失敗だった。ピアノの複雑なリズムに山ちゃんのフルートは翻弄された。余裕がなくなった山ちゃんは最後まで上手く吹けなかった。レッスンの最後に♪♪♪先生は「ピアノパートもしっかりと勉強してくるように!」というもっともで本当に恥ずかしいようなアドバイスを頂いて、すごすごと部屋を後にしたそうだ。それ以来、山ちゃんはピアノも勉強してその先生のレッスンを受けるようになったそうだ。チャンチャン!