2017年子猫物語(1)

 以前のブログにも書いたが我が家には二匹の猫がいる。カイとシータだ。お店に住み着いたお母さん猫の2回目の出産の子猫だ。店の屋根裏で出産して他の子猫たちは壁の隙間に落ちて亡くなった。カイとシータは僕が屋根裏に入って助け出した猫だった。他の兄弟より成長が遅かったので逆に幸いだった。カイもシータもまだ目も見えないでミャーミャーいいながらその場にいた。
 その後もお母さん猫は屋根裏で出産するがいくつかの不幸があった。4回目の出産で生まれた子猫たちは無事育ったが最終的に居残ったのは真っ黒な猫だった。僕はその猫をジジと名付けている。遺伝子的に警戒心が強い我が猫の家系でジジはミャーミャー言いながら寄ってくる。でも僕には触らせない。隣のお姉様にはすりすりしているそうだ。そのお姉さん曰くジジは男の子だそうだ。隣のお姉様は僕が小さいときから知っている。僕が高校生の多感な年頃の時お姉様は大学生だっただろうか。本当に綺麗なお姉さんだった。勿論当時は話をすることはなかった。面白いものだ。自分が55歳になってそのお姉様と度々猫の話をするようになった。
 ジジは僕には触らせてくれないがお店の入り口に餌を置いておくと自ら入って食べるようになっていた。お母さん猫は未だに警戒心が強くて店には入ってこれない。僕は獣医さんの助言で、つまり猫は餌の量で寄ってくるということを聞いて、お母さん猫には断腸の思いで店まで入ってくるジジだけに餌を与えることにしていた。