休憩コーヒータイム(3)

 このコーヒータイムで(1)はコンマネ(2)はステマネと混同して記してしまったが、ここではステマネつまりステージマネージャが正しくコンマネ(コンサートマネージャー)は当たらずも遠からずだ。だって僕は指導者と総務も兼ねていたので、指揮者の選出やオーケストラのスケジュール決めに深く関わっていたからだ。
 さてステージマネージャーは結構大変煩雑な仕事だ。まず本番の日のステージでの作業前にしておかなければならない大きな仕事はセッティング表とステージ進行表の作成だ。セッティング表とはオーケストラの席表のようなものだがこれが結構一筋縄にはいかない。だって弦楽器だけでも右から第一ヴァイオリン、第二ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとならんで、その後ろにコントラバスだとは限らない。ましてやジュニアオーケストラだから本番の日まで正確な人数がわからない場合もある。なぜかって?だって子どもたちが頑張っているのだ。本番の日までに間に合うかどうか?って子もいるのだ。それにエキストラ(応援の演奏者)が何人かもわからない。管楽器だって同様だ。木管楽器はポジションがほぼ決まっているがホルンなどは会場や曲で場所が変わる。ティンパニも同様だ。そして管楽器は楽譜上では、例えば第一、第二フルートとあっても指導者の考えでそれにアシスタントがついて4人で演奏したりする。それが楽器によってバラバラなのでその確認を各楽器の指導者にとらなくてなならない。では4人だったら椅子は4脚でいいのか?それが違うのだ。例えばフルート。曲によってピッコロに持ち替える子もいる。その時の楽器置きに椅子がいる場合もある。クラリネットならバスクラリネットと持ち替えだ。だがバスクラはスタンドがあるから椅子はいらない。だが小さなクラリネットだと椅子は必要な場合もある。などなど各楽器でも諸事情があり、それが曲によって異なるのだ。例えばトロンボーンがいらないとか打楽器はティンパニだけだとか、それは曲の編成によっても違うし、弦楽器などこの曲だけ弾きますという団員もいる。そして椅子の数と譜面台の数も全く違う。例えば弦楽器など二人で1プルトと組むので演奏人数分の椅子とその半分の譜面台が必要だ。打楽器は短い曲だと立ったまま演奏するので椅子は要らないが譜面台はいる・・・などなど、それらを一曲につき一枚のセッティング表にまとめるのだ。
 最後の練習(だいたい前日晩)のあとで、各楽器の指導者に作成したセッティング表を渡して確認する。それでも当日午前のゲネプロ(通し練習)のステージを見ると空席がある。指導者に「先生!あの席なぜ空いているのですか?」いろいろな答えが返ってくる。「ああ、あの子午前学校で午後から来るの。」とか「ああ、あの子弾けないからこの曲は降ろしたの。」「エキストラが来れなくなったの。」とか。だから本番までセッティング表が完成する事はない。それに比べればステージ進行表(タイムテーブル)は簡単だ。