2017年子猫物語(3)

ジジは相変わらず僕が店に来るのを待っている。そこに子猫たちも待っている。ジジとお母さん猫は以前折り合いが悪かった。仕方がない。だって僕がジジにしか餌をあげなかったのだから。それでもジジが折り合いを付けたのだろう。ジジが店の横に置いた餌をお…

2017年子猫物語(2)

お母さん猫に餌をあげなくなって、心苦しいばかりだった。だってお母さん猫がまだ子猫の頃から4年近く餌をあげていたのだから。しかし屋根裏でミャーミャーと鳴き声が聞こえた時には犠牲になる子猫を思うともっと心苦しくなる。餌をあげなくなってもお母さ…

2017年子猫物語(1)

以前のブログにも書いたが我が家には二匹の猫がいる。カイとシータだ。お店に住み着いたお母さん猫の2回目の出産の子猫だ。店の屋根裏で出産して他の子猫たちは壁の隙間に落ちて亡くなった。カイとシータは僕が屋根裏に入って助け出した猫だった。他の兄弟…

作家が書いたピアノコンクール(6)

さてピアノコンクールの内容はどうだったかは素晴らしい筆致で書かれた著者を尊重してあえて触れないが、その著書の冒頭に彼らが演奏した曲が詳細に記してあり、最後にコンクールの結果の詳細も記してある。つまり結果を知りたければ数秒でわかる。だからこ…

作家が書いたピアノコンクール(5)

4人目のコンテスタントは高島明石、彼は普通の家庭で育った。父親が転勤族なのでピアノを家に置けなかった。祖母がピアノを買って蚕のいる蔵に置いてくれた。彼はそこでピアノを弾くのが好きだった。祖母はそれを喜んで聴いてくれた。明石はその蔵にいた。…

作家が書いたピアノコンクール(4)

コンクールで注目されている参加者にマサル・カルロス・レヴィ・アナトールがいた。彼は世界中を転勤していた日本人の父親とペルー人の母親との間に生まれた。幼き頃にピアノの才能に目覚めパリで音大生に師事した。その音大生はマサルの才能を見抜き自分の…

作家が書いたピアノコンクール(3)

このコンクールで鳴り物入りの参加者は弟子をとらなかった故ホフマン先生の唯一の弟子風間塵少年だけではなかった。栄伝亜夜は天才少女として音楽活動していたが彼女が13歳の時彼女を精神的に支えていた母親が亡くなる。そのショックから以前から決まって…

作家が書いたピアノコンクール(2)

このブログを始めたとたんコーヒー飲んだりお茶したりやっと2回目を記すことができた。受賞作家の巧みな表現を僕の凡庸な感想文のような文体にしないため、どのような切り口でかつ簡潔にまとめようか考えていた。 コンクールは何十人何百人と参加するその中…

ティータイム

コーヒータイムの次はティータイムかよっと苦言を言われそうが今回は本当にごめんなさい。 人生生きているといろいろあるもので、ここ数年もいろいろあったのだが、今回は僕にとってちょっとサプライズだった。お店に(実家)不在届の通知があった。その依頼…

コーヒータイム

昨夜『ベル&セバスチャン』という映画を見た。ベルの犬種はグレートピレニーという真っ白なフサフサな毛の大きな犬だ。ベルは劣悪な環境から逃げ出して美しい山々で野良犬として暮らしていた。村人たちはその犬を野獣と呼び羊などが襲われるとその野獣が襲…

作家が書いたピアノコンクール(1)

昨夜は暑かったので夕方の散歩はやめて深夜にルナを連れて出た。公園へ向かう道のりの中で何度もルナを見たが何度見てもティラノサウルスにしか見えない。公園に着いたがさすがに人も蛍もいなかった。毎年7月初旬まで毎夜中来てはperdendosi(息絶えるよう…

ルナは見ていた(3)

ジュラシックワールドは前3作と趣が異なる。前作は一部の人間が孤島の恐竜の世界で繰り広げる冒険だったが、4作目のジュラシックワールド完全なるアトラクションテーマパークになっていた。行楽地よろしく子どもたちを含む多くの家族が楽しんでいる。サフ…

ルナは見ていた?(2)

ジュラシックワールドも二人の少年が登場する。二人は兄弟でお兄ちゃんが中学生で弟は小学生中学年くらいだろう。兄弟の母親の妹、つまり兄弟の叔母がジュラシックワールドの支配人(社長?)をしていた。兄弟をアメリカから呼び寄せた。兄弟は二人っきりで…

ルナは見ていた?(1)

映画『ジュラシックパーク』はもう何十年前になるのだろう。琥珀に撮り込められた古代の蚊の血から恐竜のDNAを抽出し恐竜を再生する事から話が始まる。恐竜のアトラクションパークを南米の孤島に作り上げようと野心を持った大企業の社長が男女の若い恐竜発掘…

ルナの寝顔を見ながら

ルナは庭に出たかったら自分でフンフン言って主張できる。しかも勝手口で待っている。僕がドアを開けてやると喜々として出て行く。庭ではボールを加えてみたりペットボトルを噛みつぶしてみたり道草を食ったり楽しんでいる。時々通行人にシッポを振りながら…

早速深夜のお散歩になった話

前回のブログの最後に、今後暑くなってきたら夕方の散歩はできないので深夜のお散歩になる。その時はもう蛍はいない、と記したたがその日の山口は暑かった。31度の夏日だったらしい。その日はお店のオープンである7時に間に合う夕方ぎりぎり遅く6時まで…

蛍を見なくなった話

久しぶりにブログを書いている。それをブログと呼べるのかどうかわからないが僕にとってはエッセイみたいなものだ。あるいはまれにメーセージ的なものもある。 さてブログも久しぶりなのだが、あれから蛍を見に行っていない。樽の穴場があって毎晩深夜蛍を見…

蛍を見ている話(2)

この公園は防犯の為か夜10時まで眩しいくらいにあちらこちらに照明がついている。それが10時になるとパッと照明が消えあたり一体が真っ暗になる。通常蛍は8時から9時が一番見頃でその後だんだんといなくなってくる。 この公園は10時まで明るいのでこ…

蛍を見ている話(1)

僕の音楽仲間で市役所職員で『蛍係長』だった人がいる。20年も前だったか僕が彼に訊いたことがある。「蛍はどうして光ってるのですか?」彼は、その質問は光の科学的な解明?それとも光っている理由?と前置きしてこう答えたのをよく憶えている。「科学的…

学校公演の話(6)

学校公演は教育委員会にお願いして児童数が少ない学校をお願いしていた。何故ならフルートと違ってリコーダーや民族楽器など今回は音量が出ない楽器が多いからだ。教育委員会は配慮してくれて全校児童100名程度の小学校を選んでくれた。5月29日にあっ…

学校公演の話(5)

昨日29日(土)今年一校目の学校公演をした。そこに至るまでの過程で苦労した。一つは精神的なショックだった。親しい音楽仲間からご主人が亡くなったと聞かされた。ご主人は過去の演奏会でよく顔を合わせたご縁でよく知っていたし、何より娘さんがまだ小…

ワンちゃんが集う会

前の日曜日「オフ会」というワンちゃんが集う会があった。僕の記憶では3年目の3回目だった。もしかしたら4回目かもしれない。主催は「ライくんの記」で記した元ペットショップ女性店員の呼びかけでペットの同窓会のような会だ。第一回の時は僕は演奏があ…

赤いはりねずみ5周年会

今年、赤いはりねずみ5周年会を8月19日(土)に開催することになった。去年4周年は「偶数月はしないのだよ。」というある人の助言でしなかった。もともと2周年は若いピアニストのちょっとした支援になればと始めた会だった。そのピアニストも今やたく…

学校公演(4)

誤解のないように申し上げておくと、教育委員会の学校公演はきちんと予算を付けていただいている。それとは別に演奏の資金を持っている。どうして?と言われても話すると長くなるので省略したいが、そのお金は20年以上動かない状態になっている。萩市の演…

学校公演の話(3)

今年もありがたい事に教育委員会の依頼で小学校2校の公演が決まった。交通事故で左足骨折、肋骨2本骨折、右手首骨折の状態からどうなるかと思ったが、人間の快復力は凄いんだと実感している。それでも警察官からよく生きていられましたね、とも言われたも…

日曜日の話

日曜日に福岡であった『ナタリー・デセイ』のソプラノのコンサートを観に行った。彼女は昔から大ファンだった。福岡であるのだから当然行かないわけはない。ところが1月に事故に遭い歩くこともままならず車椅子生活になった時点でコンサートはキャンセルし…

学校公演の話(2)

今回の話はある意味でメッセージも込めています。ありがたい事に今年2校の小学校で演奏が決まりました。内容は次回具体的に話しますが、今回今までの演奏活動で少ないながら演奏の資金があってそれを今年使ってしまおうと思っています。だから予算的には全…

学校公演の話(1)

ありがたいことに長年続けてきた学校公演が今年も決まった。ただ、今年は企画で大変だった。何故かというともともとこの活動を始めたのがもう約30年前、教育委員会の依頼で始めた。みんなに失礼のないようにかなり企画を練った。その結果としてピアノ、ヴ…

ライくんの記(最終章)

動物がどれほど感情を受動しているのか僕にはわからないが、ライくんが亡くなって僕はまた体調が悪い。感情的には平常心のつもりだが明らかに体調不良だ。その僕のそばに二匹の猫カイとシータは僕のそばでゴロゴロしている。もっとも今までもそうだっただろ…

ライくんの記(4)

ライくんを火葬しに行った往復で妙な事があった。ライくんは大型犬で地元で火葬してくれるところがない。それは承知していた。一番最初のバーニーズのムンが亡くなったとき何もかのわからない中で本当に奔走した。獣医に相談し地元の火葬会社の人に来てもら…