ルナの寝顔を見ながら

 ルナは庭に出たかったら自分でフンフン言って主張できる。しかも勝手口で待っている。僕がドアを開けてやると喜々として出て行く。庭ではボールを加えてみたりペットボトルを噛みつぶしてみたり道草を食ったり楽しんでいる。時々通行人にシッポを振りながら吠えている。僕が「ルナ!帰らんかね。」と庭に出ると、ルナは僕が自分と遊びたいのだと言わんばかりに、庭中思い切り駆ける。動画を見せられなくて残念だが(僕の技術不足で)ルナの走っている様子は一般的な犬のそれとは違う。まさしく馬の走りだ。庭に点在する大きな岩を自由奔放に駆け回っている。ぶつかったら確実に僕は怪我をする。ルナは上手く僕を避けて駆けるのだが僕は安全のため岩陰に潜む。しばらくして僕が「さあルナ家へ帰るよ。」と言って歩き出すが当然ルナは僕の言うことをきかない。家内か娘が「ルナおいで!」とドアを開けて叫ぶとルナは走って家の中へ戻る。これらも全て織り込み済みの日常だ。
 満足したルナはソファでスヤスヤと寝ている。その寝顔を見ながら昨夜見た『ジュラシック・ワールド』を思い出す。思えば僕は幼少の頃から恐竜が大好きだった。恐竜のフィギュアも集めていた。もっともその頃は恐竜もは虫類と同族のように考えられていて、実際にステゴサウルスやアバロサウロスなどみんなワニのような歩き方をしていると思われていた。いつからそれらの恐竜がまっすぐに足を伸ばして歩くようになったのだろうか。今では恐竜の進化形が鳥類だという。恐竜も科学や学問の世界では進化している。『ジュラシック・ワールド』は第1作の『ジュラシック・パーク』シリーズの第4作だ。第1作を思うと随分趣向も変わっていた。『ジュラシック・パーク」は凄くリアリティある迫力の恐竜シーンの連続だったが、第4作の『ジュラシック・ワールド』は恐竜の迫力をそのままに人間ドラマのような展開を恐竜の関係にもたしたのには、映画というエンターテイナーとして僕はとても感動した。これを書きながら僕は隣で寝ているルナをチラ見した。