学校公演の話(6)

 学校公演は教育委員会にお願いして児童数が少ない学校をお願いしていた。何故ならフルートと違ってリコーダーや民族楽器など今回は音量が出ない楽器が多いからだ。教育委員会は配慮してくれて全校児童100名程度の小学校を選んでくれた。5月29日にあった小学校は新しいプログラムで行った最初の学校だった。
 まず3・4年生にボランティアで1校時ほどいろいろなリコーダーの紹介と演奏、そして指導をした。この指導は教育委員会ではないリコーダーメーカーでの活動として昔20年以上年間50校以上おこなっていたので楽しく子供たちと楽しめた。その後すぐに音楽室から体育館に移動して公演の準備をした。指導の15分後公演が始まった。プログラムの前半はリコーダーだったので指導からの流れでスムーズにいった。ところが骨折していた右手首の状態に違和感がでたのはフルートトラヴェルソ(昔の木製フルート)を吹いてからだった。「やばい」と思い2曲のうち1曲を取りやめた。その後バリ島の縦笛とアイリッシュホイッスル(いわゆる縦笛)を演奏したが楽器が小さく縦笛だったので問題なかった。このままフルートも大丈夫だろうとその時は思っていた。フルートの曲は『子猫のワルツ』『熊蜂は飛ぶ』『歌の翼に幻想曲』と続く。いづれも長い曲ではないがじわじわと手首のダメージを感じた。練習時にそれを十分に予想していたのだがそのダメージは予想以上だった。やはり本番は余分な力が入ってしまったのだろう。なんとか公演は終わったが、僕としては不満が残るフルート演奏だった。よく最後までフルートを持てたと思うし、演奏もギリギリもったと一応安堵した。でも本当にその日午前の公演後、死にそうなくらい疲れた。