蛍を見なくなった話

 久しぶりにブログを書いている。それをブログと呼べるのかどうかわからないが僕にとってはエッセイみたいなものだ。あるいはまれにメーセージ的なものもある。
 さてブログも久しぶりなのだが、あれから蛍を見に行っていない。樽の穴場があって毎晩深夜蛍を見に行くと記したが、今年は穴場でなくなった。前回の『蛍を見ている話(2)』に記した状況が今年はなくなったのだ。蛍がいなくなったのではない。公園が深夜過ぎてもずっと明るいのだ。去年までは夜10時になると公園中の照明が一斉に消え園内は真っ暗になる。それから蛍が飛び始めるのだろう。深夜12時頃が一番美しい舞いを見せてくれていた。ところが今年は深夜12時頃でも明るいので蛍が大変少なくなった。そのせいだと僕は思っている。何より蛍の出る小川沿いの木でできた遊歩道が2歩間隔で明かりに照らされ蛍が幻想的に美しく見られないし感動できない。4日間毎晩通ったが(ルナと散歩したが)その照明の状況は変わらなかった。蛍も最初は例年くらい多かったのだが2日目からめっきり減った。深夜張り切って散歩に行くモチベーションがなくなった。だから深夜の散歩はやめた。もちろんルナは蛍とは関係なくいつもモチベーションを持ち続けている。だが夕方にこの公園まで散歩に来てさらに遠回りして帰っている。もともと蛍の時期の深夜の散歩は蛍たちがもたらしたルナへのボーナスのようなものだ。だんだん夏に近づき暑くなってくる。そうすると夕方の散歩はなくなる。するとまたこの深夜の散歩が始まる。その時はもう蛍はいない。