『 精 神 病 棟 の 豚 』~ここはいったいどこなんだ?(1)~

 気がついたら俺は見知らぬ部屋で横に転がされていた。

「ここはどこだ?俺はいったいどうなったんだ?!」

俺は動揺していた。

 確かに最近の数ヶ月はずっと体調不良が続いていた。

どこかが痛むわけではない。ただ全身が重くて怠くて、

何かをしようという気が全く無くなっていた。

「そうだ、俺は肝硬変で入院したはずだ・・・ただ、

入院したのはここではない!ではここはいったいどこなんだ。

俺は天井を凝視し、記憶を手繰り寄せる作業を始めた。

家内の声が脳裏を掠める。「いい加減に病院へ行ってきたら!」

続けて三十路女の娘が言った。「父は病院へ行って飲めなくなるのが

嫌なんよ。」・・・図星だ。娘の言う通りだった。

俺は観念して近くの大病院へ行った。そこで俺は医者から

重篤な肝硬変を患っていると告げられた。勿論、即入院になった。

 

*このエッセイはあくまでもフィクションです。悪しからず。