妖精エコーの話(2)

エコーの話の前にギリシアの3美神について、僕の全く私的な思いを記そう。美しい女神へと書かれたリンゴを取り合って結局アフロディーテ(ヴィーナス)が勝ったので彼女は愛の女神になったと記したが、本気で取りあったなら軍神アテナの方が強かっただろうし、気が強いヘラも強かっただろう。彼女達はヴィーナスにリンゴを譲ったのだと思う。アテネは美しさより戦いと知恵が欲しかったのだろうし、ヘラもゼウスが浮気者だからいつも怒っていなければならない。愛どころではなかったのだろう。
 さて浮気者のゼウスと山の妖精たちをエコーは機転をきかせて饒舌なおしゃべりでヘラをくぎ付けにした。彼らを逃がしたエコーに対して、ヘラはすごく怒りエコーが自分から話ができず相手の話す事をそのまま同様にしか話せないようにした。所謂『オウム返し』だ。エコーの話はこれではまだ終わらない。ここからがエコーの悲劇が始まるのだ。