酒の神バッカス(1)

ギリシャ神話の根幹はオリンポス(聖地のようなもの)の12神になるのだろう。今までに出た名前だと、当然絶対神ゼウスとその妻ヘラ、アポロンにアテナ、アフロディーテ(ビーナス)かな。あとローマのトレヴィの泉の中心に馬車に乗って向かっている勇壮な彫刻がポセイドンだ。彼は海や泉の神だ。月の女神アルテミスも有名だが僕には音楽とは結びつかないので紹介だけにしよう。
 酒が大好きな僕が好きなオリンポスの神はディオニソスだ。絵画や彫刻でブドウの葉っぱを冠にしている人間が(好青年の場合もあれば醜い親父顔の場合もある)ディオニソスだ。英語読みの方が有名かもしれない。彼の名はバッカスだ。よく使われる場面は酒宴の中心に彼がいて彼の周りを多くの裸の女性達が囲んでいる場だろうか。
 音楽の題材にも使われる。有名な曲はバレエ曲『シルヴィア』(ドリーヴ作曲)の終曲バッカスの行進だろうか。あといろいろと音楽の中でバッカスの名前が出てきたような気がする。音楽でも前出の場面が想像出来るような狂乱なつまりとっても派手な曲が特徴だがこれには深い理由がある。彼バッカス本人は何も言わないが彼はとっても不幸な運命を背負って生きてきたのだ。そして一見やりたい放題の裸の女性を囲っての酒宴も大きな理由があったのだった。