サイレーン

僕の住む街は県庁所在地であるが、まだまだ田んぼもたくさんある。実際に我が家を出て左は住宅街だが(10年前、20年前とは環境ががらりと変わった。つまり田んぼや空き地がどんどん住宅地になった。すぐ右側は田んぼが広がる。よく営業マンがくる。隣の田んぼをマンションにしませんか?と。いや隣の田んぼは僕の土地ではないので無理ですっと。今でも夕方5時になるとどこにいてもサイレンが鳴り響く。小さい頃誰かに訊いた。なんで5時にサイレンが鳴るの?返事は農作業をしている人々への時間の合図だそうだ。すっかり街になって子どもたちは携帯で時間が把握できる現代でもサイレンは鳴っている。
 さて、サイレンという言葉を(例えば救急車がサイレンを鳴らして走っている)というように大人も子供も知らない人はいないだろう。日本ではうるさく鳴っているだけのイメージだが(だからサイレン!?)もともとはこれもギリシャ神話が語源なのだ。
 サイレーンという人間の上半身に鳥の下半身と大きな羽をもつ生き物で、音楽よりも彫刻や絵画の方がよく出てくる。だがサイレーンはとっても歌が魅惑的に上手いのだ。だから海を航行する船乗りは聴き惚れる・・・そして難破する。それを知っていた賢い船長は乗組員に耳栓をさせて難をのりきった。やはりどんな組織も賢いリーダーが大切だ!という教訓だ。(んん?そんな話だっけ???)でも、不思議に音楽に関係あるエピソードにも関わらず、サイレーンを題名やテーマとした曲を僕は知らない。ただドイツに観光で行かれた方の多くはライン河下りをされたであろう。その途中にローレライロックがある。まったく同じでローレライの美しい歌に聴き惚れて難破するようなライン河の難所にある岩なのだが岩というか岩山でこちらは確かに急流急カーブの難所だ。実際昔多くの船がここで難破したらしい。それでこんな伝説がうまれたのだろう。出典はギリシャ神話のサイレーンだと思う。ただ違うのはローレライの姿は誰にもみえない。そして美しいう歌「ローレライ」が残った。