朝からただし(3)


 ただしは二晩僕の隣で眠った。これは冗談とも真実とも思って欲しいのだが・・・僕はこの10年近く僕の横で家内は寝た事はない。何故なら家内は2階のベットで寝る。僕はずっと犬達と一緒に一階の居間で寝ているからだ。(笑)それでも犬の性格はまちまちだ。最初に初めて飼ったバーニーズ・マウンテンドッグのムンは毎晩僕と毛布の取り合いをした。・・で、結局僕は負けて冬は本当に寒い思いをした。そんな親密な仲だったから彼女が突然死して僕はペットロス症候群に陥った。それを救ってくれたのがライだった。ライはペットショップの売れ残りだった。のちに知ったが、その店長が大型犬を飼っていた我が家にライを預ける計略をしていたようだ。我が家は計略にはまったというよりペットロス症候群の僕は当然ライとの嬉しい縁を受け入れた。でもライは僕の隣で寝るのを拒んだ。もっとも僕達は男同士だから当然である。僕も人間の男同士なら嫌悪感でいっぱいだが犬はいいかなあ〜❤と思うのだがそれでもライは嫌がった。結局ライは人間だけでなくその後我が家にやってきたグレートデンのルナにも距離感はあったし去年そのルナの死後新たに我が家に来た仔犬の2代目ルナに対しても独特の距離感を持っている。ルナは先代ルナと変わらぬ距離感があった。簡単に言えばマイペースだった。
 そんな中でただしは我が家に来たばかりなのに、僕が深夜に帰ってくるとルナやライと一緒にシッポをブンブン振って出迎えてくれた。その後だ。ライとルナはすぐに自分の居所に戻る。結局僕に付き合っていつもシッポを振りながら付き合ってくれたのはただしだけだった。 僕はヘタレた大きなソファでいつも寝ていた。ルナはそのソファの半分を占領して寝ていた。ライはそこから離れた床で寝ていた。ただしは僕が寝ていたソファに寄り添うな床で寝てくれた。だから僕が手を伸ばし下に降ろすとそこにはいつもただしの頭や体があった。その都度、ただしがシッポを振っているのが、床で鳴っている太鼓のような音でわかった。
 本当にただしが愛おしかった。それでも・・・・・もし、それが人間の・・・いや、・・・すみません。