ただしとお別れ(1)


(これは本当にモナカです)
 先代猫モナカはバーニーズのムンを山へ散歩に連れて行った時、子猫で捨てられ瀕死の状態で保護した猫だ。その当時僕は猫には興味がなかったが(家内は猫派だ)すぐに病院へ連れて行き結局我が家で飼う事になった。ムンが47キロのでっかい犬だったので、ずっと知らなかったが、ある日なんかのきっかけで体重の話しになった時獣医さんがモナカはその獣医さんの所へ通院する猫の中で5本の指に入る太った猫だと言われて爆笑した。そのモナカは当然バーニーズのムンとは大の仲良しだった。ムンが亡くなってベルジアンのライが来た時も数週間は警戒したがすぐに仲良しになった。だってライはペットショップに2歳までいたのだ。小さい犬や猫には手を出すなと厳しく躾けられていただろう!と、想像できるのが、モナカが何もしないライにすり寄ってきて本当にスリスリしていくのだ。その間ライはお座りしたままの状態でハッハハッハと息を荒げて涎を垂らしながら直立不動なのだった。まるで夜の人間関係を覗くようだった。その一年後先代ルナがやってきた。ルナは優しく穏やかだったがモナカはルナに近寄る事なくとうとうモナカは生涯居間に入る事なく去年亡くなった。一方、昨昨年に実家の屋根裏で危険な状況におかれた子猫を2匹保護して我が家で飼っていた。その頃はライも先代ルナもいたので、まだミルクしか飲めない子猫たちは問題なく同居をはじめた。その先代ルナが去年亡くなり同じグレートデンの仔犬ルナを連れてきた時は(浅はかにも僕は同じ顔をしているから猫達は先代ルナと勘違いして自然に受け入れるのではと期待していた)カイもシータも警戒して高い所で仔犬ルナを観察していた。それでもシータは1ケ月もしたら微妙に仲良くなった。微妙というのは、ルナのハフハフする口の中にシータの頭が入っているのをよく見かけたからだ。最初はドキドキして見ていたがルナの独特の愛情でシータもそれを受け入れていたとわかれば楽しい光景だった。すると警戒心の強いカイもだんだんルナ慣れて居間に出入りするようになった。
 僕は同じようなプロセスをただしでも繰り返されるだろうと思っていた。ところがただしは違った。