朝からただし(1)

 先日水曜日の話しだ。僕が家内に「明日お休みならどっか行こうか?」と言うと「何言ってるの!明日はただしが来るんでしょ?明日は朝からただしよ!」と返された。そうだった。忘れてはなかったがもう木曜日になるのだった。
 そしてその木曜日の朝ただしがやってきた。その日ただしが来るまでにライを近所で散歩させた。そしてただしが来てからルナとただしを一緒に山まで車で連れて行って散歩させた。おてんばルナの相手にただしはうってつけだと思っていたし、その山はまず人に出会う事ないのでリードを外して自由にさせてやる事ができる。思惑通りルナとただしは本当に仲良く山道を謳歌していた。特に前の台風の影響で倒木がすごいのだ。何本も大木が山道を塞いでいた。だからますます人に会う事はない。僕は道を外れてこけそうになりながら通ったり倒木を登って降りたりサバイバルな散歩になったがルナとただしは楽しそうだった。ただ、帰りに車に乗る時が大変だった。もともとライとルナを連れてきた時も、ライがすぐに車に乗って待っていてもルナはウロウロしてなかなか車に乗らない。「いい加減に乗れ!」と命令してもなかなか乗らない。40キロを超えたおてんば娘を強制連行する力は僕にはない。その日はそのおてんば娘と新参者のただしだ。それまでの散歩の行程は思惑通り以上にうまくいったが最後の車に乗せる事が大変だった。ただしは37キロなので無理矢理抱えて車に乗せる。で後ドアを閉めてルナが乗るタイミングを待つ。それだけでも時間がかかりイライラしているのにやっとルナが車へ向かってくるタイミングで後ドアを開けたとたん、ルナと入れ替わりにただしが飛び出していった。ただしをつかまえて車へ入れるとその瞬間ルナが飛び出す。そんな連続だった。本当に疲れ果てた。それを家内に話すと明朝は早起きしてライも連れて一緒に山の散歩に行くと言う。家内と一緒に散歩するのは何年振りだろうか?!最初に飼ったムン以来でムンが死んで8年になるからそれ以来だ。悪い話ではない。これでまた夫婦仲が良くなるといいのだが????(笑)
 家に帰ってからもただしはしょっちゅうシッポを振っていた。というか僕はシッポをふっていないただしを見た事がない。ライとルナが寝ていてもただしだけはいつも起きていてヘラヘラと付きまとった。ラブラドールがこんな性格なのだろうし、新しい環境での緊張をこのように表現しているのかなあと思うとなんとも愛おしくなる。
 そして翌朝家内とライとルナとただしとみんなで山へ行った。