はりねずみの話(3)

 僕はずっとはりねずみが飼いたかった。自宅にはでっかい犬と猫2匹がいるのでお店で飼うつもりだった。我が家には水槽がいくつかある。その中に入れて飼うつもりだった。話は飛躍するが、何故我が家に水槽があるかというと昔魚を飼っていたからだ。思えば昔川魚に鳥(インコ)にウサギに色々と飼ってきた。その流れで現在の大型犬と猫二匹だがその前に大型犬を3匹に猫が1匹いた。それらの動物遍歴で一番大変だったのは魚だった。いかんせん水の入った水槽の水を替えることがどんなに大変か。あの頃はまだ30代だっかから頑張れたが55歳の自分としてはもう水槽を使う気がは無かった。その空の水槽ではりねずみを飼ったら楽しいかなと思っていた。先日ペットショップにはりねずみを見に行った。ここのショップは犬猫と隣接したコーナーで買われている。昔ウサギを飼っていた頃はよくウサギやインコを見に行った。それ以来久しぶりに訪れた。昔はイグアナや蛇や亀はいたがはりねずみはいなかったと記憶している。やはり時代の流行だろう。はりねずみが4匹もいた。体が白いのと焦げ茶の子がいた。僕がドイツの学生寮の庭で出会ったはりねずみが焦げ茶だったのでその子を店員さんにお願いして掌に載せてもらった。ところが店員さん曰く。その子は警戒心が強くてだって。実際に分厚い手袋の上からその子を置いても体が針を立てたままでまん丸になったままだった。
 僕は帰宅して嫁さんにそれを話しもうちょっと探してみようかと言ったら、「何言ってるのよ!お店は開店してない時は夏は暑いし冬は寒いし飼えるわけないでしょ。諦めなさい。」それは一理ある。僕はションボリと諦めた。