2017年子猫物語(4)

 子猫物語は前回の(3)で、終了したはずだったが、その後信じられない事態になった。黒猫のお兄ちゃんジジの影響かチビちゃんたちがお店の入り口に置いていた餌を食べに来ているのはいいし僕も陰から見守っていた。ところがチビちゃんたちはしれ〜と店の中を徘徊するようになった。それでも最初は徘徊ぐらいで僕が行くと慌てて外に出て行った。ところがチビたちだんだん大胆になって徘徊が冒険をするようになった。つまり僕にはチビちゃんたちが外に出て行ったのか店に潜んでいるのかわからなくなった。でもなんとなく店に潜んでいるなとわかったのは、お兄ちゃん猫のジジがいつもは餌を食べたらどこかへ行ってしまうのに困ったような顔をして店の前にいたし、お母さん猫もいつになく店の近くで心配そうな表情で入り口に近寄っていた。ただ僕はチビたちが出て行ったのか店のどこかに潜んでいるのかは確認できなかった。
 翌日、自分の母親と食事をしていると店でガチャンと音がする。見に行くとなにやらいろいろと乱れている。やはりチビちゃんたちは店内で閉じ込められていたのだった。やはりチビちゃんだ。お腹も空いただろう。次の日はミャーミャーと鳴き声が聞こえてきた。僕は空調の効いた店内の入り口をしばらく開放してやった。おそらくそのうちに出たであろう。と、願っている。やれやれだ。