ライくんの記(3)

 ライくんは全くシャイな男の子だった。男だからなのかその子の性格なのか?最初に飼った雌犬のバーニーズマウンテンドックは僕がベッドに入るとドカドカと階段を登ってきて僕のベッドに入り込んで毛布布団をまくり込んできた。グレートデンのルナは炬燵に入り込んで占領した。ライくんは自分の居場所を見つけては寝ていた。もちろんライくんのハウスはある。そこで寝ていたり好きなところを見つけて寝ていたりしていた。僕としてはライくんのふかふかな毛に絡まってゴロゴロしたかったが、彼がそれを許さなかった。だからライくんが亡くなった今僕は正直にライくんの育ての親の女性にメールした。『皆さんとライくんの気持ちが受け止められるかわかりませんが感謝します。』と、本当にライくんは幸せ者だったと思う。僕が看取った犬であんなに多くの方々から看取られたのはライくんだけだった。前に記したが、僕が最初に飼ったバーニーズマウンテンドックが亡くなってペットロスになって縁があって出会ったのがライくんだった。もうペットロスにならないように自分の中で対処はしていた。次のこのグレートデンが亡くなって「最後はバーニーズを飼いたい」と言っていた嫁さんが「またグレートデンのルナを子犬から飼いたい」と言って現在我が家にいる。それぞれの気持ちの整理があるのだろう。ライくんが亡くなって淡々と過ごすつもりだったが、時を重ねる度悲しみが僕にわき起こる。それはみんなが愛してくれたライくんが『おいおい僕だってそんな存在じゃあないぞ!』と言っているのかなあ?と今は思っている。