深く思った事(1)

 最近ピアニストのY氏がU音楽大学を解雇されたとの報道を見た。その件についての思いはまた記すが、本当に国民性か文化かわからないが深い問題だと思っている。そのキーワードは『忖度』にも通じるの?
 僕が留学したドイツでは、「どこの音楽大学に行っているの?」と訊かれたことはなかった。訊かれるとしたら「誰に習っているの?」だ。だから教授が大学を替わると習っている学生は教授について転校していく。僕の留学していた音大は小さな町にあったが昔は凄く有名な教授たちがいてその頃に卒業した学生は日本でも有名な音楽家になっている。でもその頃とは時代が違う。それでも僕が「デトモルト音楽大学を出ました。」と言うと、日本では知る人は知る「名門ですね。」と言う。が、大事なのは誰に習ったのか?だ。日本では誰に習ってるのか?何を学んでいるのか?は一般的に興味なさそうだ。だから「どこの大学に行っているの?」で完結する。そこで誰に何を習っているのかはどうでもいいのだろう。だから日本では肩書き文化?が蔓延するのだろうか。日本の最高峰の音楽大学は「東京芸術大学」になるだろう。仮にそこの教授が他の大学に転任したらそこの学生は一緒に移るだろうか?東大の教授が転任したら学生は共に移るだろうか?そういう事だ。