久々に遊んでやった10分

 今日は事故骨折以来1ヶ月ぶりに庭でルナと遊んでやった。遊んでやったと言っても僕は適当に巨大な庭石の隅で立っていればいい。するとルナは嬉しげに庭石の間を本能の赴くままに駆け回る。庭石は7個ほど鎮座している。彼女が立ち止まると僕は「帰ろうかあ?」と言ってルナに近づく。するとルナは僕をからかうようにまた庭石間を駆け回る。それを6セットから8セット彼女に付き合ったら、僕は「じゃあ家に帰るから適当に遊んどき!」と言ってほったらかしにして家に帰る。これが僕たちのコミュニケーションだ。僕が彼女を捕まえようとすると、彼女は遊んでもらっていると思うのだろう。上記のような展開になる。これは骨折する以前から同じコミュニケーションなのだが、さすがに車椅子では一人で庭にも出られない。足が不自由だと、以外にルナの駆け回るのを避けながら庭石の陰に立つのは少しだけ集中力がいる。油断すると駆け回っている彼女とぶつかってしまう。当然彼女の方が強い。車ほどではないが・・・。彼女だけ庭で好きなようにさせていると、急に吠え出すときがある。ルナは女の子だが、その吠え声はでかい雄犬のようだ。その時は僕も庭へ出てルナに注意する。が、言うこと聞くわけない。最初は近所に迷惑かなあとも、通る人が怯えないかなあ?とか心配したのだが、だんだん吠えなくなって最近は一人気分良く遊んでいる。もともと吠えるのは遊んで欲しいから吠えるのであって、最近は遊んでくれない通行人の認識ができたみたいだ。それでもちっちゃな子や近所の小学生などが「ルナちゃ〜ん」と構ってくれている。勿論ルナは吠える。
 昨日もいつになくずっと吠え続けている声が聞こえる。僕は「こら〜ルナ!うるさくしないよ!」と言いながら庭へ出ると、フェンス越しに知り合いの子供3人とお父さんがいた。以前はすぐ近所にいて子どもがまだ幼稚園で先代のルナちゃんの頃からよく可愛がってくれた。その子と友達だろう。キャッキャと縄跳びしながらルナに絡んでいた。そりゃ、あんだけ吠えるはずだ。僕はその間、お父さんとたわいもない世間話をしていたのだが、そのお父さんが僕の包帯に巻かれた右手を見て「噛まれましたかあ?」と言った。僕は即座に否定したが「そうかあ、誰が見てもこの手でルナと遊んでいるとそう思うわなあ・・包帯に、犬のせいではありません!と書いておくか?!