久々に歩いた一日

 14日火曜日にようやくギブスが取れ二足歩行が可能になった。ギブスが取れたら即、普通に歩けるものだと思っていた僕は浅はかだった。かろうじてギクシャクした二足歩行ができる程度なのだ。骨折していた左足は足首でも動かせば足すねに響き痛い。だから右足で少し1歩踏み出し
左足が右足に追いつくような歩き方になる。それでも歩けることは素晴らしい。僕と家内は車椅子を自家用車に積んだまま家内の運転でホームセンターへ買い物に出掛けた。家内は運転免許取り立てで、まだ怖いからとセンターラインのある道しか通行しない。ホームセンターの広い駐車場の中で、ほとんど車が駐車していないセンターから遠い所へ車を駐めた彼女は、僕を振り向きもせずさっさと歩いて行く。僕はゆっくり歩きながら、先に行っていい、と叫ぶ。けっこう足に負担を感じながらも買い物の雰囲気を楽しんだ。その気持ちが2本1000円のチリワインと芋焼酎パックと発泡ビール1ケースを嫁さんの機嫌を伺いながら買ってしまった。重そうな大きな買い物袋を持った嫁さんが、発砲ビールのケースを持とうとしていた僕に、「また戻ってくるから持たんでいいよ。」と言ってくれたが、僕は遠慮もあり「リハビリにもなるし自分で持つ。」と言った。嫁さんは「お酒だと重さを感じないんだね。」と言った。図星だった。そのまま嫁さんはとっとと歩いて駐車場の遠く駐めていた自家用車まで歩いた。帰りに昼食にと回転寿司へ寄った。車椅子生活だとなかなか外食が出来なかったので怪我以来の外食だ。僕はこの1ヶ月で随分と体調が良くなったと実感した。去年は回転寿司に来ても4貫(皿ではないよ)も食べれば十分だったが、その日は7貫も食べられた。勿論ビールは飲んだ。嫁さんも、遠慮なく何でも食べていいとの僕の言葉に遠慮なく、1貫200円の大トロを4枚などを堪能してくれていた。とにかく少しだけ活動範囲が広がり僕にとって本当に喜ばしい限りの一日になった。
 その日歩きすぎたのか、次の日は左ふくらはぎの筋肉痛で前日より歩行が大変だった。右手首は相変わらずギブスで固められているので何もできない。食事も左でフォークを持って格闘している。字も全く書けない。利き手でない手で字を書く人を尊敬する。事故後の保険関係の書類をあれこれ書いているのだが、結局最後の清書は嫁さんにお願いし、ポストへ投函するのも嫁さんが行ってくれる。嫁さんには大トロを何貫も食べて頂かなければならない。いや、本マグロを1本丸ごと買うかあ・・・ああ結局は嫁さんが捌かなければならないのか・・ショボン。嫁さんの声が想像できる。「こんなもの買ってきて誰が捌くのよ!ただでさえやる事がいっぱいあるのだからこれ以上何もしないで!」・・・・・ガッカリ・・・