著作権問題の報道に思う(8)

 毎日外出もままならず暇をもてあましている。娘とは言い争いをしてから口をきいていない。顔を合わすだけでうっとうしい。嫁さんにはひたすら遠慮しながら謙虚に対応している・・・つもり。だから上半身を起こしたベットの上で朝刊を穴があく程覗き込む。先日文化欄の書籍紹介で興味ある本があったので4冊に絞って、嫁さんにいつでもいいから本屋に連れてって欲しいと言うと「私が車椅子を押しながら一緒にまわらなくてはいけんからねえ・・」「うん、だから急がないし時間がある時でいいし、忙しかったらこの本買ってきて。」と新聞の切り抜きを渡してお願いした。本屋に行きたかったが、気晴らしに外出もしたかった。先日はタクシーで総合病院へ受診に行き、待ち時間に売店を一人車椅子でうろうろしていたら、その日「文藝春秋」の発売日で『芥川賞受賞作品』が載っていたので購入した。僕は家へ帰って本丸の受賞作「しんせかい」を読み始める前に外堀から埋めていった。普段はざっと目を通すだけのジャンルも、トランプ大統領の記事や安楽死、安部昭恵さん、経済、14歳のプロ天才棋士からコラムまで時間をかけ2日で読み、今日は午前中、芥川賞の選考委員先生たちの選評を読んで、いよいよ本丸へとページをめくったその時、玄関ベルが鳴った。宅配便だった。さっそく開封すると中から大小の本が4冊あった。嫁さんにお願いした本だった。そうかあ、宅配してくれるんだ!これで気晴らしの外出はなくなった。北斎オルセー美術館、古代出雲文化にゲーテとなんとも取留めのない選書だ。これでしばらく退屈しない。
 今日で「著作権問題」のブログは最後にする。日曜日にテレビで一週間の話題ランキングなんてやっていたが、テレビの向こうでそれを話題にすることはなかった。そりゃそうだろう。テレビ局としてもJASRACには戦々恐々だろう。それだけメディアの中でも音楽が氾濫しているのだ。ネットでは、あるジャズ喫茶が著作権料の未納で過去に遡って請求され払えずに店を閉めたとか、JASRACは役人の天下りの受け皿になっているとか、いろいろと見たくも聞きたくもない情報も入ってくる。みんなが気持ちよく音楽を享受できたらいいのにね。
 今家内と娘がテレビ録画で谷村新司の「チャンピョン」を見ている。僕はブログを打ちながら懐かしいなあと聴いていたら、突然にうちの大型犬の一匹がバタバタと右往左往し始めた。「どうたん?」と家族の声の後に大爆笑!どうしたの?と僕も振り返って同じく大爆笑!テレビでは谷村新司が「ライライラ〜イライライライライライラ〜イ・・」と歌っていた。バタバタしているうちの大型犬の名前はライだ。音楽のあるところには笑顔が似合う。