著作権問題の報道に思う(6)

 前回のような、つまり『嵐』やクラシックやポピュラーなどのコンサートは申請書に曲目(1曲ずつ作曲作詞者と演奏時間、それに開催日、入場料、観客数、公演数を書いて、当日配布するプログラムを添えてJASRACに申請する。すると著作権使用料の請求書と振込用紙が送られてくる。それを支払って完了だ。事前に申請しなくてもいいが、後からいくら使用料が掛かるのだろう?とドキドキしながら演奏するより(笑)事前に払ってしまってスッキリと集中して演奏した方がよかろう・・・と思う。
 では、把握できないくらい沢山の曲をゴチャゴチャと演奏され、しかも何の曲だか主催者やオーナーがいちいち把握できない場合、たとえばスナックやカラオケバーで歌われる莫大なカラオケの曲や何が演奏されるかわからないジャズ喫茶でのライブなどはどうなるのだろう。そのヒントは、今回のJASRACが大手音楽教室著作権料を課すという報道からわかる。だって音楽教室のレッスン生の全員が著作権に該当する曲をレッスンしている訳ではない。だからといってレスナー(講師)がいちいちレッスン曲を教室側に申告するのは大変だ。だからJASRACは大手音楽教室側にレッスン生一人につき一律2.5%を著作権料として課すと提案していると報道記事にあった。全国展開している大手音楽教室には個人レッスンだけでなくグループレッスンや大人のためのレッスンもあるしCMでお馴染みの幼児教育プログラムもある。全国にどれだけのレッスン生がいるのか僕には想像できないが、仮に(本当に例え)全国に10万人レッスン生がいて仮に(わかりやすく)一人のレッスン料が月8000円だとしたら一人160円の著作権料になりそれが10万人分だとしたら月1600万円の収入になる。しかも全国展開している大手音楽教室はもう1つある。準大手音楽教室も入れると軽く年3億は超えるのではないだろうか?数字に確証はないが、どちらにしても単純計算で大きな収入になるのだからJASRACにとってはおいしい話だ。仮に大手音楽教室側が共闘してもJASRACには勝てないだろう。仮にチャンスがあるとしたら、今日まで大手音楽教室側が地道な政治活動をどれだけ行ってきたかだろうが、それがなかったから今回の問題になったんだと思う。この問題は奥が深いし根も深いのだ。