著作権問題の報道に思う(2)

 現在自宅で安静状態だ。入院生活と変わらない。でも入院生活よりはるかにいい。だって、大画面で好みの音声でテレビが見られる。特にオペラはイアホンなんかで聴きたくない。夜は布団で2匹の猫と寝ている。新聞も毎日隅々まで読んでいる。普段見ない経済面や広告面まで。こんなことドイツに留学していた頃日本語の文に飢えていた時以来だ。その頃日本人の誰かが言っていたなあ・・・「山田さん、1ヶ月遅れの情報に敏感ですねえ。」と。そうなのだ、大学側が日本人留学生のために日本から月刊新聞ダイジェストなる本をメンザ(学食)へ置いてくれていたのだ。僕はビールを飲みながら一日中情報収集をする。
 さて今日もベットで新聞を読みあさっていたが、著作権の事は「読者の声」や「社説」等どこにも載っていなかった。それだけある意味でデリケートな問題なのだろう。前回ブログで古いクラシックは著作権料が掛からないと書いた。補足すると作者が亡くなって30年で著作権が切れる。だからクラシック音楽でも現代曲は著作権が発生する。無料コンサートは利益がなければ著作権は掛からないと記した。ここでよくあるトラブルの一例を。その演奏会は無料だった。スタッフ全員手弁当で開催した。演奏終了後精算を済ませスタッフは解散した。その後日本著作権協会(今後、JASRAC と記す)から著作権料の請求が届いた。無料コンサートでスタッフも無報酬でも演奏者にギャランティが支払われていたのだった。もし演奏者もノーギャラだったら著作権は掛からない。同じく音楽教室内での件、聴くに値する完成された音楽ではなく、たとえお稽古上の曲の一節であろうとも著作権料は発生する。えっ?どうして!と思われた方はよく考えてほしい。指導の先生にレッスン料の何割かが支払われているからだ。そこに利益報酬が発生している。今回の大手音楽教室にも著作権料を徴収しようという問題はそういう事なのだ。もっとビックリの例だ。これはJASRACの方が僕に直接電話で話したことだ。僕が居酒屋を始めた頃だった。彼はカラオケを置いていないか僕に訊いた。僕はカラオケは置かないと言うと今度はCDとかを流さないのか?と訊いた。有線に入っているのかとも訊いてきた。僕はすべてに否定すると、彼はなぜBGMをかけないのかと訊いた。僕はドイツのレストランやスーパーのように、音の洪水のない静かな空間にしたいのだと彼に告げた。そして僕が「うちの店ではたまにお客さんが歌曲や童謡を歌ったりピアノを弾いて楽しむぐらいですよ。」と言うと彼はビックリするようなことを言ってきた。まさしく開いた口がふさがらないどころか顎が落ちてしまった。