新たなる生活(1)

昨日車椅子をリースしたら、今朝早速に車椅子が介護福祉専用のリース会社によって届けられた。さすがに仕事が速い。車椅子は室内用と外出用の2台。いざ使用してみると、今まで僕が思っていたイメージと全く違った。まず外出用はコンパクトでとても軽い。簡単に折りたためる。室内用は自力で動かせるように横の車輪に手で動かす輪が付いているのだが、非力な自分では動かすのは大変だろうなと思っていた。ところがなんとそれを軽く持って回すだけで車椅子がすいすい動く。今までの生活が一変した。どこへ動くのも苦労しないし、絶対に動かすなと言われている骨折した左足も足台に置いたままで、左手と右足だけで車椅子を前に後ろに自由気ままに動かす事ができる。僕は今まで以上にまめに動き回っている。さすがに嫁さんがそんな僕を見て「よくフラフラ・フラフラしとるねえ。」と言った。自分でもそう思う。
 僕の店は実家を半分改装して始めたもので、あと半分のスペースに母親が一人住んでいる。僕が店へ行き母親の夕食などのお世話をしていた。朝昼はデイ・ケアに任せていた。時々デイ・マネージャーさんなどが「息子さんよくお世話をされていますね。」と言われるが、裏読みすると『奥さんは何してるんだ。』とも聞こえるので、僕はすぐに言う。「僕が出来る時には自分がして、嫁さんには負担を掛けないようにしているんです。だって僕が何かあったら結局嫁さんに負担を掛けるし、僕自身もお世話になるかもしれないから。」と。そして今回の事故で、僕はお店をお休みせざるえなくなった。当然、母親を自宅へ引き取らなくてはならなくなった。生活が急変したのだった。