学校公演企画(9)

リコーダーは誰が吹いても音が出せるので教育楽器としてもとてもいいと思う。他の管楽器だといい音を出すのが難しい。だからと言って侮るなかれ。リコーダーは誰もが音を出せるからこそ、その人の音楽性や耳の良さがわかる。だって「いい音で吹きたいけどなかなか音が出ない。」なんて言い訳は出来ないのだ。時々訊かれる。「音楽性ってどうしたら良くなるのでしょうね?」その時は当たり障りない事を言ってごまかすが、僕の本音は「いい生演奏を聴かない人に上手な人はいない。だがいい生演奏を聴いたからって上手になるとはかぎらない。」だから音楽は難しいのだ。
ただリコーダーの上手な人を生演奏で聴く機会はそんなにあるものではない。だからリコーダーは難しい。あとリコーダーの他の管楽器には無い大きな特徴は楽譜の読み方にある。ちょっと小難しい表現になるが、例えばクラリネットにはB管(ベーカン)やA管(エーカン)などとドイツ読みで言う。これは楽譜ではハ長調のドレミファソラシドが書かれていてそれを吹くと実際の音は、B管だとシ♭ドレミ♭ファソラシ♭の音になる。A管だと実際の音はラシド♯レミファ♯ソ♯ラの音になる。リコーダーはC管とF管がありソプラノリコーダー、テナーリコーダーはC管でアルトリコーダーとバスリコーダー、ソプラニーノリコーダーはF管だ。だけどわざわざC管やF管なんて言わない。だって楽譜は全て実際に出る音で書かれている。だからリコーダーをソプラノやアルトに持ち替えて吹くのは大変だと思う。小学生でソプラノをやって中学生でアルトをする事は凄いなと思うが、ピアノの人がハ音記号とヘ音記号の楽譜を同時に見て右手左手を異なるように演奏する事を思えばたいしたことではないのかなあ・・・