師走の呟き(14)

24日のクリスマス・イヴは教会で礼拝の後に演奏するのが僕の毎年の行事だ。その後に「恋人たちのメリークリスマス」みたいな楽しい事があればいいのだけど最近は遅く帰ってお店を開けたりして楽しい思い出は全くない。
 今年の共演者は2年前から協力して頂いている西村昌幸さんのテノールに奥様のエレクトーン。それから冨田博之さんのオーボエが加わってバッハのクリスマスオラトリオを中心に、今までになく豪華で厳かな雰囲気で信者さんをはじめ来場して頂いた方々に喜んで頂いた。歌の持つ霊的な魅力は素晴らしいし、教会に響くオーボエの音色は格別だ。僕は半分以上聴衆者になっていた。勿論少しは演奏にも参加した。オーボエとフルートでモーツァルトのオペラを二曲演奏した。最近スランプから脱却している感覚がありプレッシャーなく自分もみんなの演奏も楽しめたし、みんなも演奏を楽しめたという声に安堵した。事実聴衆のみなさまの反応や表情でそれはコンサート中にも伝わってきた。そしてなにより今回は初めて共演者と打ち上げをする予定になっていた。西村夫妻が自分の所で打ち上げをして泊まっていってください、という言葉に甘えることにした。初めてコンサートのその後が楽しみでもあった。オーボエの冨田さんも参加の予定だったが家族の事情でそれには参加できなくなったが、僕は厚かましく遠慮せずに西村宅へお邪魔した。音楽の話からいろいろな話に展開し(僕はブログのようにあっちこっち話が飛んでいくが)夫妻がよく相手をしてくれて、夫妻は飲まないのに自分一人でワインを二本開け空にした頃は夜中の二時だった。コンサートも打ち上げもとても楽しい時間だった。なにより嬉しいのは、オーボエの冨田さんも含め、みんながまた来年もこの教会で演奏したいと言ってくれた事だった。すぐに来年のイヴの共演者が決まったのは初めてだ。それがなによりの最高なクリスマス・プレゼントだった。