師走の呟き(12)

クリスマス・イヴは大切な教会でのコンサートがある。毎年ゲストの人も招いて演奏する。今年のメインゲストはテノールとピアノの西村夫妻にオーボエの冨田さんが加わった。よって僕の演奏は少しなのだが、久しぶりにワクワクした気分になっている。演奏する事が本当に楽しみだ。クリスマスコンサートといえば、広島の音大時代、大学のパイプオルガンの教授が僕に声を掛けてくれて近くの女子高校でクリスマスコンサートをしたのがいい思い出になっている。曲はハレルヤコーラスで有名なヘンデルメサイヤだ。本来は合唱と独唱にオーケストラなのだがオーケストラの部分を先生がパイプオルガンで演奏し、それに何曲かを僕のフルートで重ねて演奏した。メサイアヘンデルの代表的な名曲であり年末の風物詩的な名曲でありなによりクラシックの最高峰の名曲だ。多くの学生がいる中でなぜ僕に声を掛けてくれたのかわからないが今は亡きパイプオルガンの恩師に感謝している。記憶は曖昧だが3年間は続けて演奏したような・・・どこの高校のホールで演奏したかも曖昧だったが、確かにそのホールで演奏したのは覚えている。大切な人が聴きにきてくれたのもハッキリ覚えている。それが僕のクリスマスの思い出だ。今日の僕は冬の孤独をポジティヴに楽しむ日でありこれから街中の雑踏を一人徘徊しようと思っている。