師走の呟き(9)

天気予報では雪が降ると言っていなかったが、今朝早くから雪が降り始めあっという間に初冠雪した。プーチンが山口に寒気団を連れてきたのだろう。山口市では雪が積もる事はそんなにない。スキー場が多い広島北部では結構降っているのかなあと思う。ドイツでは11月に降った雪が寝雪となって春まで白銀の世界だ。−8度なんて普通だが空気が乾燥しているのと家の中は暖かいので数字ほど寒くは感じない。ただ4年間で一度だけ−30度という日があってその時は本当に寒かった。鼻毛が凍り、ドアのノブに触れた手が凍りついた。そんな日は特別としてドイツの冬は楽しい。音楽ではオペラの演目が一番充実している。街ではイルミネーションが輝き屋台が軒を並べる。ボイルされたソーセージ(ブルスト)は定番だが焼いたジャガイモ(カルトッフェル)にバターをのせたのも素朴に美味い。そしてあったかいグリューワインが身体を温めてくれる。日頃は夜の街を歩く事は無いし人々もレストランかバーでしか会わないぞというくらい街中は閑散としているが、12月になると街は輝き賑やかになる。それが楽しい。クリスマス期間から新年まで寮では日本人など遠方の留学生しか残らないが大学の主催でクリスマスパーティーをしてくれる。プレゼントは決まって白ワインにタオルにクッキーだ。僕は他の日本人の女性にタオルと白ワインを、クッキーと白ワインをトレードしてもらい3本の白ワインを部屋に持ち帰って楽しんだ。そして次の日には一人旅に出かけた。そんな思い出あるクリスマスだった。