仔猫騒動記(終章)

イプシロンが亡くなって1週間が過ぎただろうか。アルファのお姉ちゃん力によって少しだけ近づいてきていた2匹の仔猫ちゃんはそれ以来姿を見せなくなった。お母さんのコゲも姿を見せなくなった。もしかしたらイプシロンが事故に遭った現場を見たか立ちあったのかもしれない。一時期はアルファ、ルドルフ、ジジと共に一緒に狭い寝床で丸くなっていた2匹の姿も見られなくなった。今では仔猫たちが現れる前の情景に戻ってしまった。つまり僕の姿を見かけるとアルファかルドルフかジジが現れ僕が店の入り口に餌を置くのを待っている。そして3匹並んで仲良く食べている。僕が近づくのは大丈夫だが触ろうとすると相変わらずルドルフとジジは逃げる。そしてアルファが餌を独り占めする。勿論僕が少し距離を置くとルドルフとジジが戻ってきてまた一緒に食べ始める。以上で仔猫騒動記を終えようと思っていた昨晩、久しぶりにコゲの姿が寝床の近くにあった。僕はもしやと思って寝床を覗くと2匹の仔猫たちが入っていた。僕はいつものように餌を置いて陰から見ていると、カイそっくりの仔猫が来てお姉ちゃんたちに交じって食べていた。もう一匹の仔猫は用心深くとうとう来なかったが、僕がみんなが餌を食べている間に寝床へ行って覗いてみると一匹丸まっていたので餌を置いてやった。僕は彼ら(彼女ら?)に名前を付けた。カイそっくりな仔を「χ・Jr(カイジュニア)」もう一匹の胸とお腹が白い仔を「θJr(シージュニア)」と。さあ我が店の猫環境はこれからどうなっていくのだろう・・
!(おしまい)