仔猫騒動記(1)

仔猫たちの母親であるコゲは半年毎にお店の屋根裏で赤ちゃんを産む。その結果として今回の赤ちゃん猫が亡くなった事を思うとなんとかしたいがいい方法がわからない。実は動物病院の先生にも相談したがどうにもすっきりとした解決策は見当たらない。ただ先生は「そこに餌があるから猫がくる。何匹も集まっているのはそれだけの餌があるからでしょう。」と言われた。図星だ。「そうなんです。僕も姿が見えると餌をやっているし、隣のおじさん、おばさんもえさをやっているみたいです。」と言った。先生は「餌をやらなければ自然と猫たちはいなくなります。」と言われた。が、そうはいかないよねえ。コゲなんて家の猫のように居ついてるし、他の仔猫たちも仲がいい。だが心を鬼にして餌をやるのを止めた・・・日が何日あっただろう。僕が姿を見せると小走りに寄ってくるアルファ―(赤ちゃん猫騒動(4)(5)(6)参照に)を見て無視できる訳ないではないか。だからといってアルファにお前だけこっちで餌をあげようなんて言えるほど親しくないがアルファ―が一番近寄ってくるし餌を食べている時は身体を触らせてくれる。他の猫は近寄っただけですぐ逃げる。そこで僕は名案を思いついた。