シータとカイ(5)

シータとカイが我が家に来てみんながそれなりに仲良く平和に過ごしていた約一年後にグレートデンのルナが亡くなった。推定9歳だった。ルナは血統書がある訳ではなく人から譲り受けたので推定と書いた。だから誕生日もわからなかったのでライと同じ歳で同じ誕生日にした。グレートデンは長生きできない。9歳で亡くなったのは老衰だったと思っている。家内が「今度はグレートデンを子どもから飼いたい。」と言ってブリーダーを調べてくれたので二人で見に行って連れて帰ったのが現在いるルナだ。10月で2歳になった。我が家へ来てもうすぐ2年になる。ルナを連れて帰った日、猫どもが警戒しないか心配した。先代ルナだと思ってくれるのではないかと期待したが、猫どもはバカではなかった。シータもカイも一目散に猫タワーの上に避難。ルナもそれを見つけて飛び跳ねじゃれようとしている。「ルナ!ダメ!」と言っても、わかる訳ない。だってその頃のルナはまだ仔犬なのだから。とはいえ16キロと図体だけはデカイ。デカくてもやっている事は幼児と一緒だから性質が悪い。カイもシータもしばらくルナのいる居間に寄りつかなくなった。現在ルナは2歳になって少しだけ落ち着いてきたかなあ?という程度だが、シータとカイはルナと上手に付き合っている。ソファで寝ていたルナが突然シータやカイを追い掛けても彼女たちはあっという間に猫穴から猛ダッシュで出て行く。毎日繰り広げられる猫運動会の賜物だ。シータは先代ルナの時と同様にルナから付き纏われ迷惑そうにしている。カイはルナが遊ぼうと近づいたら猫パンチで応酬する。接近戦に持ち込んで片手を頭上に挙げていつでもパンチを出せる体勢をとっている。ルナは怯まず「ワン」と野太い声で一喝しながら鼻先を接近させる。この情景は1分くらい楽しめる。