赤ちゃん猫騒動記(9)

その夜、2日前赤ちゃん猫を連れ帰ってくれた同級生から電話があった。猫が死んだので別の仔猫を引き取りたいと言う。勿論大歓迎で一匹を彼に渡して僕は一匹だけ連れ帰った。次の日その赤ちゃん猫を動物病院へ連れて行って帰ってきたがどうも鳴き声が弱弱しい。夕方もう一度連れて行き先生が処置をしてくれたが残念な事にそこで亡くなった。先生は「本来はお母さんのミルクで育つ赤ちゃんだからね。こうなる確率は高いよ。あの子たちは(αとθ)よく育ったと思うよ。」こう言って、点滴や注射代を取らなかった。確かにそうだ。今でこそでっかい犬達と対等に渡り合って我が家を謳歌しているカイとシータだが、今回の赤ちゃん猫たちよりもっと小さかったカイとシータがよくここまで育ってくれたと改めて実感する。用心深いカイは最近、仰向けに寝ていた僕のお腹の上で丸くなって寝ている。それなりにでかくなったので僕はしばらくすると腰が痛くなる。そこで横向きになると今度は横っ腹の上で器用に寝る。今度はうつ伏せで寝たら背中の上で寝る。そのため僕はゆっくりと熟睡できない。でも可愛いので我慢している。そのせいか最近本当に体調が良くなった。カイの体温と重さが僕の五臓六腑を健康にする効果があるのかもしれない。僕の手元でシータが丸くなって寝ている。カイはお蒲団の上で、シータはお蒲団の中にいる。亡くなった赤ちゃん猫たちを想うとちょっと切ない。