赤ちゃん猫騒動記中断の訳、あるいは別の騒動記

この「騒動記」が少しの間中断したのは、実はこの1週間、身内の「騒動記」に巻き込まれていた。先月最後の日曜日、北九州で素晴らしいピアノリサイタルを聴いて山口に帰って母親と二人でいつもより遅い夕食を食べた。簡単な鍋にした。僕の母はビールが大好きだ。90歳になっても缶ビールの500ミリ缶をあっという間に飲み干す。量は僕の方が多いが、ペースは母の方が速い。さて食事が済み母が「じゃあ寝ます」と言って居間を出た途端ガタンと大きな音が!見ると母が転んでいた。この息子にこの母親ありだ。ようするに母は酔っ払って転倒したのだ。僕は頭を打っていないか確認し、打った背中の様子を見守り母が自力で寝室のベットへ入ったのを確認し僕は帰った。翌朝デイケアの関係者から連絡があり、母が起きてこなかったので見に行くと母は痛がっていたので病院へ連れて来たという。僕が行くと先生からレントゲン写真を見せられながら説明があった。腰椎、腰の圧迫骨折の疑いあり。更に精密検査するので3週間の入院になるかもという事だった。僕はその日入院の手続き、必要品の調達に奔走した。母の入院にあたって看護師長から認知の具合、徘徊、叫び等の危険性を問われたので僕は「母は絶対そのような行動はありません。家ではいつも大人しく寝てるし、デイケアでも穏やかに過ごしているようです。」と答えた。その5日後金曜日に先生から詳細な説明を受けた。先生曰く「圧迫骨折だが今日も朝から着替え荷物をまとめ帰る気満々で院内をウロウロしているので、もう帰ってもいいですよ。」だって。3週間のつもりが5日だよ。A型の僕は昔からそうなのだが予想外予定外の展開にはまるきり弱い。夕食は食べたからすぐ帰ると言う母を、夕食はまだ出ていないから食べてから帰れと言い含め、その間に母親宅を片付けた。A型らしいといえば次回の入院時に奔走しなくて済むように『入院セット』としてバックにまとめて置いておいた。病院へ戻ると夕食をほとんど
食べていない。促しても「いい!いらない」と頑なに拒む。そして僕らは自宅へ帰った。
 日曜日は母の快気祝いとして僕と家内と娘の4人でイタリアンレストランへ行った。母は当然しっかり食べていた。僕は忌々しく思って、母にビールは勧めなかった。