赤ちゃん猫騒動記(7)

酒祭りが終わっても、僕と同級生3人はキャンプのようにうだうだと酒を飲んでいた。すると同級生の一人が「あっ、仔猫がいる!」と言って店の脇へ入っていった。「あっ、その仔猫はつかまらんよ!」と覗いてみたらやはりアルファだった。彼は猫好きみたいでやたらアルファに距離を置きながらも構っていた。
 それから1時間経っただろうか。さあ、解散しようかという時に同級生の一人が「壁から猫の鳴き声がする」と言いだした。僕はまさか?と思いながらも聞き耳を立ててみると確かに壁の内から猫の声がする。また壁に穴を開けなければならないのか?!と思いながら2年前に開けた小さな穴を塞いでおいた板を除いて片手を突っ込んでみたら・・・いたよ〜一匹出す。そしてまた手を突っ込む。またいたよ〜。結局3匹出てきた。本当に小さい。本来なら親猫(コゲ)が人目につかない所でおっぱいをやっている赤ちゃん猫だ。先程アルファを構っていた同級生の一人が、奥さんが猫好きだから一匹持って帰ると言ってくれたので、有難くお願いした。そして他の2匹はとりあえず今夜は我が家に持って帰り、明朝屋根裏に入って赤ちゃん猫を返す事にした。我が家へ帰るとでっかい2匹の犬が大歓迎だ。僕は赤ちゃん猫が入っている段ボール箱を守るため、奴らの鼻が届かない高い場所に置いた。すると今度はχとθだ。お前らの妹だぞ!と言いたかったが、わからないだろうなあ。結局その夜は僕がその段ボールを抱いて寝た。