赤ちゃん猫騒動記(6)

コゲとα(アルファ)たち5匹の仔猫は昼に行っても夕方行ってもそこにいた。アルファ、ルドルフ2匹のパシリがいて他は屋根裏か家の周りにいるのだろう。そうこうしているうちに5ケ月は経ったのだろう。コゲのお腹が膨らみ始めた。まだ5匹の仔猫がウロウロしているのにだ。こんなケースは初めてだ。すると面白い事に、いつものように餌をやると今まで仔猫たちが食べ終わるまでじっと見守っていたコゲが仔猫たちを押しやって先に食べ始めた。きっとお腹の赤ちゃんを想っての本能なのだろう。そしていつものようにだんだんお腹が大きくなってきて、そのうちに屋根裏でミャ〜ミャ〜と鳴き声が聞こえ始めた10月に湯田温泉酒祭りが行われた。ここでようやく「湯田温泉酒祭りの話(4)」につながった訳だ。本当に回りくどくてごめんなさい!そして湯田温泉祭りに場面を移すが、あれだけの人とでっかい犬が3匹もいればさすがにコゲも仔猫たちも姿は見せなかった。祭りが夕方終わって人々が引いていき表の道路ではテントや長机を片付ける騒々しい音が聞こえ始めても僕と3名の同級生はだらだらとキャンプ用椅子に座って飲んでいた。
開けっぱなしの店のドアの店内からミャ〜ミャ〜と鳴き声が聞こえる。僕は昼の賑わいでも聞こえていたが、同級生が「なんか仔猫の声がする。」と言った。僕は「うん天井裏におるんよ。」と答えた。うちのテーブルや椅子の片づけは明日しようと思っていたが、その前に大変な事になろうとはその時点では予想だにしていなかった。