赤ちゃん猫騒動記(5)

4回目の出産で生まれた仔猫たちは順調に育った。だって、コゲは5匹の仔猫たちみんなが食べ終わるまでじっと見守っている。みんなが食べ終わってウロウロした頃に自分が食べる。だから僕は餌が少なかったら少し足してやる。今回は5匹が仲がいいのだろうか!?みんないつまでもお店から出て行かない。しかもみんなよく喰う。僕の大した事はないエンゲル係数は上がりっぱなしだ。そのうち仔猫たちに序列ができた。グレーの仔猫と一匹の黒い仔猫が僕がお店に来るのを見張るようになった。2匹は他の仔猫より少し小さいのだ。その2匹が僕の周りでウロウロする事で餌をせがんだ。僕はすぐに餌はやらない。一通り用事を済ませ餌を持って外に出るともうみんな集合していた。ようするに前者の2匹はパシリだったのだ。そう思うと僕はその2匹が愛おしく思えるようになった。そんな日々が続いた。そのうち僕はパシリの2匹だけに名前を付けた。グレーは我が家のθに色が似ているので「シ―ちゃん」と呼んだ。黒はその当時黒猫のアニメ映画の宣伝を見て名付けた。「ルドルフ」だ。僕は夕方家から店まで自転車で通うのだが店がある路地に入り口に彼女達はいる。僕は「おお、シ―ちゃん、ルドルフ!元気か?と呼びかけながら店に着く。当然のように2匹は僕の方へ小走りにやってくる。そのうちシ―ちゃんは餌を食べるときだけ撫でさせてくれるようになった。そのうち店のドアを開けっ放しにしておくと店の中まで入ってくるようになった。ルドルフまで引きつれて入るようになった。僕が姿を見せると一目散に店から退出するのだが僕は「こらこら入っちゃだめだよ!」と言うがその声色は決して人には聞かせられない。もっとなついてくれたら家へ連れて帰りたいと思うようになった。シ―ちゃんはうちのθと被るので僕はα(アルファ)と呼ぶようになった。ルドルフも連れて帰りたいが彼女はまだ触らせてもくれない。