赤ちゃん猫騒動記(4)

コゲのお腹がだんだん大きくなるので妊娠している事はすぐわかる。そのうち屋根裏で「ミャ〜ミヤ〜」と鳴き声が聞こえ出す。約1ケ月の授乳期がすぎ赤ちゃん猫から仔猫になり自分で食べられるようになった頃、コゲは仔猫を連れて僕の前に姿を現す。当然挨拶は無いが目でいろいろと訴えてくる。ようするに餌は欲しいが近寄るなよ!という事だ。仔猫たちは無邪気そのものだ。コゲは2回目の出産で3匹、3回目の出産で5匹連れてきた。コゲは仔猫たちが食べるまでじっと待っている。もしかしたら仔猫が僕の方へいかないように、あるいは僕が仔猫の方へ寄らないようにかんししていたのかもしれない。おもしろいもので仔猫たちがある程度成長してくると一匹、また一匹と姿を見せなくなる。そしてまたコゲと僕の二人きりになる。それでも僕とコゲの距離は縮まらない。本当は捕まえて避妊してやるといいのだがきっかけがみつからない。そうこうしてたらまたコゲのお腹が大きくなりやがて屋根裏でミャ〜ミャ〜鳴き声が聞こえ、そしてやがて仔猫たちと一緒に来る。いつもの繰り返しだ。ただ違うのは仔猫たちの柄や兄弟の組み合わせが違うことか。4回目の出産で生まれた仔猫たちは5匹
で初めての真っ黒な仔猫が3匹もいた。それにコゲと同じ柄とグレーでコゲと同じシンメトリックな美しい柄だった。この五匹の仔猫たちは今までにない展開をみせてくれるのだった。