ティー・タイム(4)

イオは神託を授かった。ゼウスに身を任せろという。僕はどうも胡散臭く思っている。きっとイオが眠っている時にゼウスが耳元でささやいたに違いない。で、二人は近くの湖畔で結ばれた。当然奥様ヘラが二人の関係に気付かない訳がない。ヘラが激怒して夫を問い詰めるが夫はとぼけるばかりだ。ここまでは現在の夫婦の間でもありそうな話だが・・・ここからがギリシャ神話の真骨頂なのだ。
 これはまずいなと感じたゼウスはイオを牝牛に変えてしまった。(またも牛かよ・・(笑)賢いヘラは怪しいと気付きながらも、あの牝牛が欲しいとゼウスに何度もお願いした。ゼウスは根負けして牝牛をヘラに手渡した。(なんと身勝手で薄情な男だ!)ヘラは牝牛を受け取るとイオ(牝牛)を百眼の怪物(アルゴス)に見張らした。そこで再びヘルメスの登場だ。ゼウスはヘルメスに牝牛を連れ戻してくれと頼む。ヘルメスはなんとか百眼怪物の隙を見つけて連れ戻そうとするが無理だった。隙があるとすれば怪物が寝ている時ぐらいだ。だが怪物は百もの目がある。眠っている目があればどこかの目がいつも見ている。そこでヘルメスはとっておきの作戦に出た。ヘルメスは笛の達人でもあった。彼は飼っていた牛で角笛を作っていた。それを吹くとうっとりしていた百眼怪物の目は全て閉じた。ヘルメスは怪物の頭を撃破し殺した。殺されている百眼怪物を見てヘラは激怒しそして悲しんだ。百眼怪物をいつまでも忘れないようにクジャクの羽根にたくさんの目を付けた。そして牝牛(イオ)を苦しめる為、しつこい虻を放した。これが女好きながら薄情な男と意外に愛情深い妻の物語でした。のかな?