サムソンとデリラ’(8)

 今までギリシャ神話に関する音楽から始まり新旧訳聖書のテキストに関する音楽、特にフルートの旋律が素晴らしい曲をテキストと共に紹介してきました。しかし今回のオペラはサロメオルフェウスとエウリディーチェのような有名なフルート曲はないのだが、デリラが歌う有名なアリアのフルート編曲があってここに紹介している。ネタが尽きているのではないか?という声には勿論甘んじて受け入れる。このアリアは本当に素敵な曲で歌詞が無いフルートで吹いてもその妖艶さは実に官能的だ。さて、その有名なアリアは第二幕にある。では第二幕のあらすじを!
第二幕
 ある谷にあるデリラの家の中、彼女はサムソンが現れるのを待っている。そこへ高僧がデリラの家へやって来てサムソンを捕えれば褒美をやると言うがデリラは自分の復讐の為にするのであって褒美はいらないと言う。高僧が帰るとサムソンがデリラの家の前に現れる。神に選ばれた自分が恋に落ちる事を躊躇しているサムソンにデリラは誘惑する。そしてサムソンは神に背きデリラへの恋を選ぶ。その時に歌うデリラの魅惑的なアリアが『あなたの声に心が開く』だ。サムソンはとうとうデリラに怪力の秘密が髪にある事を打ち明ける。デリラは眠っているサムソンの髪を切る。そこへ敵兵たちがやってきてサムソンは捕えられる。