サムソンとデリラ(4)

前回は旧約聖書に記されている事を僕なりに要約して書いたが、サムソンが行ってきた事は出来るだけエピソードとして書いてきたつもりだ。所謂『サムソン物語』で、これからいよいよデリラが出てくる。ここからがサン=サーンスのオペラ『サムソンとデリラ』の場面と重なる。ただオペラや映画などは原作を脚本や台本に変えて演出する。だから原作とストーリーが変わっている事も珍しい事ではない。僕の親友(故人)はミステリー作家だった。ある日彼は自分のミステリー小説がテレビドラマ化されると大変喜んだ。僕も当然そのドラマを見たのだが、彼は言った「犯人まで変わっているんだもん。まいっちゃうなあ・・・まあいいけど。」と言っていた。どうやらそんなものらしい。で、ここでの『サムソンとデリラ』は原作(勿論旧約聖書)を大きく逸脱する事はないが、それでも結構な脚色はなされている。前回が旧約聖書をおおまかに記したので、まず、そのまま旧約聖書からの『サムソンとデリラ』を続けようと思う。その後オペラでの『サムソンとデリラ』を記そうと思っている。オペラは全三幕で第一幕の登場人物や話の展開は旧約聖書には記されていない。第一幕の最後にデリラが華やかに登場するが、その場面も旧約聖書に無く、旧約聖書ではストレートにデリラが登場する。オペラでは第二幕からになる。