マタイ受難曲より

 フルート曲に関してのギリシャ神話のネタは尽きたかな?と考えているうちに、なんとなくバッハの『マタイ受難曲』の本当に美しいフルートの旋律が脳裏に浮かんだ。その話をする前にまたまた前節が長くなって申し訳ない。『マタイ受難曲』とはマタイというキリストの弟子でキリストの生涯を記した福音書から音楽にしたものだ。因みに福音書新約聖書の中に4つあり、全て記した弟子の名前で、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネがあり、バッハはそのうち『マタイ受難曲』『ヨハネ受難曲』を創作した。(う〜んマルコもあるかな?)話はそれるが(僕のいつもの癖)これらはいくつかの宗教会議の中で登用されたもので実際はもっとたくさんの福音書が存在したと思われる。近年いろんな映画でとりざたされている(あるいは有名な絵画で)「マグラダのアリア」なんて聖書ではあまり触られていないが・・・これも長いキリストの歴史の中では、真実はわからないままであろうし、実際にキリスト以降が2000年を越え、本人が聖書を記さなかったら(実はブッタも残していない)その真実はわからないよなあ。さて『マタイ受難曲』も『ヨハネ受難曲』どちらも名曲だがざっくりと言って『ヨハネ』はドラマチックで『マタイ』は精神的に内省的かな。僕は個人的に『マタイ受難曲』は全てのクラシック音楽の中で本当に大好きな曲だ。全曲を聴くものなら軽く3時間以上かかる。東京では音楽環境が違うのだろうが、日本はキリスト教徒や演奏場所等の条件が難しいのだろう。なかなか生演奏を聴く機会が無い。僕も2回ドイツで聴いただけだが、本当に感動する。深い感銘を受ける。演奏後の帰路で自分の人生を深く考えさせられるそんな曲だ。『受難曲』はキリストの生涯を語る曲なので当然十字架の場面まで語られる。だから3時間以上の演奏後、観客は精神的に深く感じ拍手をしないで帰って行くのだ。それがまた素晴らしいのだ。