精霊の踊り(1)

もともとフルート独奏の名曲「シリンクス」から始まったこのブログは音楽とギリシャ神話の物語だったが、今回はその原点にもどりフルートの名曲を紹介する。
 その前に前回のブログで、オペラハウスはオーケストラと合唱団を自前で持っていると記したが、厳密にいうとオペラハウスとして有名な、あるいは財政的に余裕があればバレエ団も持っている。実際にそこのオペラハウスの舞台でそこのオーケストラの演奏でバレエが踊れるのだから、オペラ歌手と合唱団、オーケストラ、バレエ団は親密な関係にあったのだ。例えばウィーンフィルという世界的に超有名なオーケストラがあるが、母体はウィーン歌劇場管弦楽団で年間の多くはオペラの演奏をしている。僕はウィーンに行ったときには毎晩歌劇場に通うのだが(昔も今も貧乏なので一番後ろの立ち見で観るが400円程度だ)バレエ鑑賞する機会もある。勿論オーケストラはウィーン歌劇場管弦楽団の演奏だ。
因みに有名なベルリンフィルオーケストラは、コンサートオケでオーケストラの曲だけを演奏するオーケストラだ。ベルリンの街には別にベルリン歌劇場が存在する。
 歌劇場は昔(いつかはいずれ)貴族が権威と娯楽の象徴として発展した文化だからオペラの中で合唱団だけで歌う場面があるのは当たり前なのだ。また演目の中でバレエがあったりするのも珍しくない。そんな曲は独立したオーケストラの名曲になっているのも少なくない。有名なオーケストラ曲、チャイコフスキーポロネーズはもともとオペラ『『エフゲニ・オネーギン』の中のバレエ曲だ。
 という長ったらしい前節(僕の癖)があって今回紹介したいフルートの名曲がグルック作曲の『精霊の踊り』だ。これはオペラ『オルフェウスとエウリディーチェ』の中の美しい曲でフルートが美しく奏でる。オペラだから当然オーケストラの伴奏だが今ではほとんどピアノ伴奏で演奏される。