6月の近況報告(3)


 今週の金曜日に抜糸する事になった。抜糸まで指を動かさないように指導されているが、そうは守れない。だって今月は大事な演奏があるのだ。先週の土曜日もちょっとした演奏をした。こちらはなんとか吹けてよかったって安堵があったが、次は小学校での公演がある。そしてその次はピアニストのTさんの発表会がある。そこであのメンデルスゾーンの名曲ヴァイオリン協奏曲の第一楽章をフルートで演奏するつもりだった。この曲は3月にある機会にTさんと演奏しているのだがその時は楽譜を購入して3週間でチャレンジしたので本当に吹くだけで精一杯だった。だから今度は完成度を高めて演奏をしようと練習していた矢先の怪我だった。残念だ。いやそれ以上にピアニストのTさんに心から申し訳ないと思っている。というのが、2年前の今頃に初めて会ったTさんから自分の演奏会の共演を頼まれた時、僕は前出の手の骨折で手が完治するかわからないと告げた。それでもとリハビリに励み思ったよりも早く手が良くなり吹けるようになり、二人で練習を重ねた本番前の1っか月前に酔っ払って駅のホームから転落して大怪我をしてしまった。何箇所もできた顔の傷に即効性のある絆創膏をべたべたと貼った生活が続いた。実際に彼女の演奏会当日の出番直前までその絆創膏を貼っていた。そして今回の怪我だ。僕は彼女に連絡した。「すみません。練習をなるべく本番前ギリギリにしていただけませんか?」と。返事が返ってきた。「よく、お怪我されますね!」っと。三行半(みくだりはん)という言葉があるが、これは一行両断だ。が、さすがに今回は反省している。だからお医者さんの指導を守らずに練習している。もちろん手の平の傷が開かないようにピアノではなくフルートのゆっくりとした曲だけをだ。だからまだメンデルスゾーンは吹いていないが本番では反省をいかしたいい演奏をしたいと願っている。