徳冨信恵エピソード1−1


 久しぶりに徳冨信恵に会った。厳密に言うと、数日前、演奏会の打ち上げがあるので駐車させてくれとちょっとだけ顔を見せたがそれ以来だ。何故彼女が来たのかと言うと明日ちょっとした演奏を二人でする為の合わせ練習に、彼女がお店へ来たのだった。
 彼女は来るなり言った。この前の打ち上げで、ある共演者が、私(徳冨)の名前をネットで検索したら別のブログにも(つまりこのブログだ)同じ名前でヒットして読んだけど、凄く熱烈な大ファンがいるんだね、と言われたんだ、と。
 僕は「熱烈な大ファンって僕の事?」と訊ねたら、「そうなんじゃない!」だって。まああんなタイトル【徳冨信恵というピアニスト】のブログを書いたのだから、そう思われても仕方がないとは思う。だが、はっきり言っておくが、僕は彼女の大ファンなんかではない。ただの一共演者だ。でも確かに彼女のファンは僕のお店にも複数いる。それが隠れファンだったり、積極的熱烈なファンだったりする。それも彼女の魅力からだろう。実は明日行われる僕達の演奏付きの食事会もそういったファンの広がりから実現したのだった。
 ある時僕のお店に、彼女の大ファンの紳士が仲間と一緒に来られ彼女を紹介された。その時、僕にも気を遣って頂き彼女と僕はみなさんの前で演奏した。それをお仲間の別の紳士が聴かれて、是非ここで演奏会をという話になって実現したのが、明日のお店を貸し切っての会なのだ。本当にありがたい事だ。彼女のいろいろな人への気遣いがこうしてファンの輪を広げていっている現実を目の当たりにして、あのブログを書いてよかったとつくづく思う。打ち上げで言われた、僕が彼女の大ファンだというのは、そうかもしれないと素直に思う。そうそう前出、彼女の大ファンという紳士も、今回の会をきっかけに、彼女の為の演奏会を開催される事になったようだ。