幻想交響曲


(この幻想的な雪を見よ!)
 ベートーヴェンの『英雄』が音楽史上の名曲だと話した。ベートーヴェンの凄さはそんな曲が何曲もある事による。交響曲だけに関して言えば、ハイドンモーツァルトの流れの踏襲した延長にある1,2,4,5,7,8番に対して3番「英雄」6番「田園」9番「合唱」はその後の音楽界に大きな影響を与えただろう。そしてベートーヴェンの第9番「合唱」が作曲されたその6年後に、フランスのベルリオーズがとんでもない交響曲を作曲した。それが『幻想交響曲』だ。
 好きな女優の為に彼はこの曲を創り、演奏本番で彼女を招待して自分は彼女を見つめながらティンパニを叩いたとエピソードに残っている。で二人は、どうなったかて?その想いが通じて二人は結婚しました❤❤
ただ、すぐに別れちゃうんだけどね・・・。
 僕達は二人がどうなろうと素晴らしい音楽が残ったのでよかったのだ。「幻想ショック」なる言葉がある。もしかしたら僕が勝手に言っている??
 この曲はベルリオーズのエピソードそのもののラブレターなのだ。全5楽章の交響曲の流れの中で、甘い夢の中恋人が現れ、その恋人と舞踏し、断頭台に送られ、最後は悪魔たちが現れる。そんなストーリーが音楽によって具現化されている素晴らしい交響曲なのだ。ティンパニを2セット使ったり、舞台裏でオーボエを吹かせたり、断頭台で首が落ちる音を表現したり、最終楽章では悪魔たちの怪奇な声まで表現されている。おまけにヴァイオリンの弓の木の部分を叩かせるにいたっては驚愕ものだ。そんな交響曲を創られたものだから特にフランスではその後の作曲家は大変だっただろう。実際こんな交響曲は唯一無二になった。
 幻想という言葉はなんとも魅惑的だ。で、ご都合主義的にも思える。相反する両者の意味合いをどのようにとらえるかは主観視か客観視かによるのかもしれない。例えば恋愛関係の二人がいたとする。当然二人は幻想の世界にいるが、周りはその二人を醒めた目で見ているのだろうしむしろそれが本質で真実なのだろう。最近テレビで賑やかせている科学界の件もそのような構造に思える。えっ、科学の世界に恋愛関係が・・・???